人間の存在感や個性に関するメモ。そうだ安倍公房を読もう。

自分の人生に必要な人間を数えてみると、それほど多くはない。

一生で出会える人間がそもそもそれほど多くはない。

極端な話、気持ちが満ちたりるという意味で言えば最愛の人と二人っきりでいられれば全然かまわない。

例えば、自分と自分の好きな人以外全員ロボットです、実際には生きていませんと言われても僕は割と平気。ああそうってぐらいしか思わないし、むしろスッキリして良いんじゃないか、シンプルイズベストじゃないかってすら思うかもしれない。

だって実際、他人が本当に生きているかどうかなんて今も分からないし、そもそも他者が本当に存在するかどうかが怪しい。

実際には会ったことはない夢の中で見た誰かと、隣町にいる誰かを比べると、存在の不確かさはあまり変わらない。もう死んでしまった誰かと、もう会うこともないだろう同級生の存在感で言えば、死んでしまった誰かの方が大きいくらい。

どんな人もいようがいまいが変わらないし、僕が確かに存在すると考えている少数の人間も、僕が自分の都合に応じて作り出した架空の登場人物かもしれない。

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会う人には必ず意味がある

こういう、実は実験室の生命維持装置付きベッドに寝かされていて、頭には様々な刺激をコントロールする電極が付けられていて、体験はすべて架空だみたいな話って、少なくとも誰も否定はできないんじゃないかって思う。

全部架空。夢の世界。想像の世界。

その答えはどうでも良いんだけど、言いたいのは、他者の存在ってその程度のものだって話です。

誰もが自分の人生の中の些細な登場人物に過ぎず、あくまで自分の中で、必要に応じて主要人物になってたりただの背景になってたりする。

僕らのそれぞれが、かなり恣意的なキャラクター付けがされた存在であり、キャラクターに見合った動きをするようにプログラム的なことがされてるんだよなと。

そんな風に考えると、会う人、やること、身の回りの環境、全部どうでも良いなと思う人もいるかもしれないけど、どちらかというと僕はなぜかこういうときポジティブで、「ってことは僕が見る人、やること、身の回りの環境、全部意味があることだよな」って思う。

少なくとも僕が意味を付けた人間なんだよな。いくら嫌いでも、いくらムカついても、それは僕が好きでそういう設定を加えた人間であると。

極端なことを言えば、僕は苛立ちたいばっかりにイライラする人を用意している。

そういえば昔、こんな記事も書いた。

君は景色/世界観が違うということ

まるで神のように人間の存在を完全にコントロールできても、今と同じ世の中になるのかも

例えば明日から、この世にいる人間はマジで最愛の誰かと二人だけみたいな状況だとして。

あとは明らかにロボット、みたいな状況を考えてみる。人間関係や歴史や社会の有象無象を全て初期化して、これから自分たちの世界を作ってみるという思考実験をする。

ルールはアナログなのかデジタルなのか分からない感じで、僕らは知恵の木の実(マイクロSDタイプ)みたいなものをそのロボットに自由に差し込むことができて、差し込まれたロボットは僕らを主人と認め、キャラクターを設定しなおすことができる。

こうして僕らにとって都合の良い存在を増やすことができるんだけど、そうやってロボットに知恵の木の実を差し込む作業を進めていくと、結局今僕が見ている世界にそっくりな世界が出来上がるんじゃないかなと。

つまり、別に関わり合いにならない、自動で勝手に動く誰かさんが大多数だけど、必要に応じて自分たちに関わり、僕らを気持ちよく支えてくれる人や、褒めてくれる人や、励ましてくれる人がいて、適当にムカつく人や邪魔する人がいてっていう風に、多分今と変わらない世の中を作り上げてしまうのではないか。

例えば、彼女の前で男らしい姿を見せたいばっかりに適当な悪いヤツを作り出すようなことをするから、全ての人間関係をコントロールできたとしても、やっぱり完全な善に満たされた世の中になんてならないのではないか。

そうだ安倍公房を読もう

さて、結局何が言いたいのかと言うと、困ったことに僕にも分かりません。

必ず人は何かの役割を負っていて、無自覚に人のために生きているのだということを言いたいのか

それとも個性というのは「誰かにこう利用されたい、こういう役割を負いたい」と宣言することじゃないかと言いたいのか

身近にいる大切な存在さえ確かであれば僕らはけっこう満足だよねという話をしたいのか

その全部なのか。

多分その全部なんだろう。

人間の「個性」や「人の存在感」や「役割」について、考える。

そうだ安倍公房を読もう。確か人間の「存在」を考え続けた作家だった。

人間の存在感や個性に関するメモ。そうだ安倍公房を読もう。(完)

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