僕は小説をこういう風に書いた④~自問自答を繰り返し、話しの軸を作る~

物語の骨格を作っていく作業をします。プロット作りと言っても良いかもしれませんが、感覚としてはそれ以前の自問自答という感じ。

他の人がどんな風に物語を作っているのかすごく興味があります。

小説とか書く人の頭の中ってどんな風になってんの?

僕は自分で小説を書いておきながら、よくそんな風に考えます。どう考えたらこんな話になるの?どういう思考回路で物語を進めているの?小説を書く人って不思議だなあ、と思う。そしてそういう風に思わせてくれる話が僕は好きなのだと思う。

こんなこと考えて、考えるだけじゃなくて形にしちゃうのかっこいいなあという憧れが強く、憧れをモチベーションにして僕は小説を書いてる気がする。

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「軸になる話」と「背後にある話」

物語はそれ自体を楽しむものでありながら、同時にその成り立ちについて思いを馳せることでもあります。

それは例えば橋を見る度にこれってどうやって作ってるんだろう?とか、タワーを見る度にどうやって作ってるんだろう?どうして作ろうと思ったんだろう?と思うのと似てる。

物語の構造を考えるとき、僕はそういった建築物を眺めるときと同じような不思議を感じます。

物語の構造を考えると建築物を眺めるときの不思議な感覚を呼び起こすと言いましたが、これはまったくオーソドックスな感覚なのではないかと思います。構造と言われれば建造物や組織図、もしくは機械仕掛けの歯車なんかを思い浮かべるのが普通の神経ではないでしょうか。

その前提に立ち、僕が真っ先に考えるのは、「軸になる話」と「背後にある話」です。

軸の話を決めたら、それを見て質問する

軸になる話は既に決まっています。

「鉄工所の弟子が盗みを働いて出ていくが、連れ戻そうとする」

ただそれだけの話を書きます。

この軸を決めれば、その周辺で回るもの、積み上げられるものはどんな形をしているべきかを考えます。

それを考えるために自問自答するのは、例えばこの場合以下のようなことです。

Q.その弟子はなぜ盗みを働いたのか

Q.何を盗んだのか

Q.「盗む」という行為によって、誰が困るのか

Q.「盗む」という行為によって、どんな風に困るのか

Q.なぜ連れ戻そうとするのか

Q.連れ戻すという行為によって何が起こることが期待できるだろうか

とりあえず、軸の話だけを見て根本的に疑問に思うことをこのくらい挙げました。

続いてこれに答えていきます。

質問に答える

A.なぜ盗みを働いたのかは不明。弟子生活なので衣食住の心配はとりあえず無いと想定。つまり何かに困ってということは考えにくい。病気のおっかさんが……の類の話も思いつくが個人的に面白く感じないので却下。

A.何を盗んだのかも不明だが、少なくとも盗まれたことが分かるもの。着の身着のまま逃げたのだから嵩張らないもの。もしくは現行犯。

A.誰が困るのか。当然盗まれた物によるが、何かを盗まれた人が困る。

A.どんな風に困るのか。工場以外の家で盗みを働いたなら当然家主が困る。工場の中のものが盗まれたのなら仕事に差し支えるから困る。もしくはあそこの弟子が盗みを働いたという世間の評判の意味で困る。

A.なぜ連れ戻すのかは以前も書いたが、弟子に対する対応には教育の側面もあるというのが一点。曲がったものや欠けたものを直すという鍛冶屋の営みをイメージする比喩になるという思惑がある、というのがもう一点。

Aの発展→イメージでは連れ戻すところで話が終わるのが良いのではと思っている(未定だしどうしてそう思ったかは不明)。つまり、「連れ戻す」という決断や行為自体に意味がある必要がある。

ということは、「連れ戻す」という決断自体に葛藤が必要である。連れ戻さないのが普通で、その方が無難だけど、あえて連れ戻すという決断をすることに意志を要するから、見ている人は意味を感じる。

また質問をする

さらに深堀してみます。

Q.連れ戻すという決断自体に葛藤が生まれるのはどういう状況だろう

A.忙しくて人員を割いている余裕がない

A.盗みを働いた人物を連れ戻すこと自体が評判の悪化につながる

Q.このデメリットに動機が勝たなければならないが、そのためにはどんな事情が必要だろう?

A.盗まれたものを取り返す事で何か良いことがある

A.理屈ではなく、義務感で連れ戻そうとする(この方が鍛冶屋の性分という表現が分かりやすくなる)

Q.そもそもなぜ忙しいのだろう?

A.忙しい時期だから

Q.忙しい時期とは?

A.山仕事が始まる前、ふいご祭りの前、つまり10月11月は繁忙期である

A.人手不足である上に、あまり優秀な工員が揃っていない。未熟だったり怠け者だったりする。

Aの発展→仕事は忙しく盗人に構っている暇はない。連れ戻すことにもメリットは感じない。しかし連れ戻す決断をするのは、そういう性分だからである。

こういう風に考えていくと、だんだんと軸の周りにある物語が出来上がっていきます。

どうやら工場はただでさえ忙しく余裕がない状況で、余計なトラブルに巻き込まれるようです。

これくらいにしますが、軸の周りにはいくつかの「背後にある物語」があります。物語がもしタワーのような構造をしているとすれば、軸があるのはどの角度から見ても同じですが、どこから見るかによって背景の物語は変わるはず。

4つほど、軸の周りを取り囲むストーリーがあると安定感が良さそうなので、この要領で自問自答を繰り返します。

僕は小説をこういう風に書いた④~自問自答を繰り返し、話しの軸を作る~(完)

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