お前が落としたのは発言力か、それとも文章力か。

発想と行動を記録する

 

ネットという名の湖にポトンと文章を落として、「あーやっちまった」と思ってたらブクブクブクと女神様が現れる。

そんで、両手にキラキラしたブツを持って、「お主が落としたのは発言力か、それとも文章力か」という二択を僕に投げかける。

僕は迷う。え、発言力って言ったら発言力もらえるのか?文章力って言ったら文章力がもらえるのか?どっちだ?どっちが欲しいの僕。

実際に落としたのは発言力も文章力もない、ただの文章。なんの変哲もない文章である。誰もが持ってると言っても過言ではないほど珍しくもないものを誤って落としてしまった挙句、あーあ、とか言って後悔するばかり。

そんな折うまいこと表れた女神様は、発言力や文章力といった貴重な素材で作られたと思しきソレを持っている。正直喉から手が出るほど欲しい。チャンスだ。強力な武器だ。しかしどっちを選ぶのが正解なんだ?

いやでも待てよ、そもそもネット上の発言力と文章力ってほぼ一緒じゃね?どっちでももらえるならよくね?

女神様は言う。「どっちじゃ、早くしろ」

「ちょっと考えさせて」と僕が言う。

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発言力(発信力)の魅力

発言力があれば、その文章は良いものに見えるだろう。

あの人が言うなら良いに違いないというのが発言力であって、ネット上ではしばしば人をつけて発力と呼ばれるものと同義と考えて良いだろう。

日常で言えば、クラスのリーダー的なヤツが持ってるのが発言力。

あいつが言うならまあそうなんだろうな、と思わせるのが発言力。ネット用語?で発信力。

「お前そんなことも知らねえの?ダサくない?」と言われたら、怒るどころかつい謝っちゃうのが発言力。「え、ごめん知らない」とも実は言えなくて、「あー…聞いたことはある、かも」って知ったかぶったり、「さすがセンサー半端ないね!」ってついおだてたくなる。

ときに人を卑屈にさせることもあるのが発言力。

彼がお気に召した瞬間にそれは最大の魅力を放つ。

魅力があるから誰にも好まれるのではなく、発言力のある誰かに好まれたから魅力が高まる。

世の中けっこうこういうのが多いと思う。

そんな力を得られたら気持ち良いだろうな。僕が注目するものはたちまち世の中が注目する。

いいかもな。

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文章力の魅力

でも先に身に付けるのは文章力なのかもな。

だって、文章力があれば発言力は後から付いてくるじゃないか。

例えばある書籍をおすすめする文章を書くとする。

「何この人の文章、全然興味なんかない分野の本なのに不思議と読みたくなってくる」

こう思わせることができるのは文章力の賜物だろう。

でも「何この人の文章」って思われた瞬間からその文章力は発言力に代わりつつあるよね。

実際に文章に影響されて読んだ本がたまたま面白かったら、「この人のおすすめする本は信頼できるわ」となって、そのうち「今絵本が熱い」とか言って適当にうちにある絵本を勧めても読まれるようになる。

それによく考えたら、一口に文章力と言っても細分化してみると色々な要素がある。構成力、発想力、語彙力、想像力、など。

こう考えると、ある領域でしか効力を発揮しない発言力より、文章力を持った方が何かとお得なんじゃないか?

まあどっちでも良いんだけど。ネット上ならやっぱりあんまり差はないと思うし、なんにせよもらえるならどっちでも良い。

発言力も文章力を得られるたった一つの選択

よし、決めた。

僕が落としたのは「なんの変哲もないただの文章です」

「なに?」

いや、よく考えてみたんです。発言力とか文章力って、メッキみたいなもんなのかなって。

結局、発言力も一定の努力のあとに培われるものだと思うし、文章力だって「ありやなしや」なのかなって。良い文章も悪い文章も、たまたま読んだ人にぴったりかどうかが問題で、比べられるものでもないし、単純に評価できるものでもない。

それに、どっちにしろ毎日コツコツ文章をふるってしか得られないものだろうし、発言力や文章力があるからってあぐらをかいてたらたちまちそんなもの剥がれ落ちてしまうでしょう。

根本には「なんの変哲もない文章」があって、それをふるい続け、研ぎ続けるほどに、不思議とくっついてくるものが人に伝わる発言力や文章力というものなんですよ。

だから僕は今僕が持っている精一杯のものを扱い続けるしかないんです。多分、どれだけ心を込めて、素直な気持ちで今考えてることとか感じたことを書き続けられるかというのが文章力の基本だと思うんです。

僕は精一杯の気持ちを女神様にぶつける。

「ほう。お主…あれじゃろ。打算が働いたじゃろ」

「え、あ、はいもうすいません。こう言えばどっちも貰えるのがセオリーなのかなって」

「小賢しいヤツじゃ。お主みたいなのにはどっちもやらん」(ぶくぶく)

「待って!ごめんなさい!でも僕が落としたのだけは返して!僕のなんだよ、僕の文章なんだよ」

 

 

 

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