「誰でも一生に一本くらいは面白い物語を書くことができるもんですねえ」/世に潜む一億数千万の傑作。

『小説家らしき存在』っていうラーメンズのコントが好き。

この発想は面白いなーと初めて見たときから思ってたんだけど、最近、これって本当にやれるんじゃないかって思ってきた。

ラーメンズの傑作コント『採集』に怖さを学ぶ

っていう記事も書いたんだけど、僕やっぱりラーメンズのコントの中でも、こういう若干怖いのが好きなんだと、この記事書くにあたって改めて思い知りました。

ちなみに「この発想」ってのは何なのかというと、常居次人というシステムのことです。その話をします。

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小説家らしき存在ってどんな話(ネタバレしかないあらすじ)

作品を見たことないよという方のために話をすごくざっと説明すると、「常居次人(つねいつぐと)」という天才小説家が、実は依頼を持ち込んだ編集者が持ち回りで演じる架空の人物だったという設定です。

編集者は自分で持ち込んだ原稿の依頼を自分で書き上げるまで常居次人をやめることはできない。作中では「常居次人という残酷なシステム」という風に言われています。

常居次人は作品によって文体を自由自在に変えることができる多重人格作家という評価を受けていたけれど、実際にそれぞれの作品を別の人が書いていたのだから当たり前のことでした。

その日、常居次人のもとに訪れた編集者はそのからくりを知らされると同時に、次の常居次人となるのでした。

自分が見てるものを忠実に吐き出すだけで絶対にオリジナルになる

作品中で、「誰でも一生に一本くらいは面白い物語を作ることができるもんですねえ」というセリフがあるのですが、今僕の胸を打つのはここです。

これって多分本当だよなって思う。

そりゃその「一生に一本」を書けるかどうかがまず最初の壁で、だいたいの人はこの壁を越えることもできないし、もっとだいたいの人はこの壁を越えようともしないワケだけど、誰でもたった一本なら、またとない作品を作ることができる。

仮に全力でその壁を越えようとしても、普通はオリジナリティに溢れた面白い小説なんてそうそう書けるもんじゃないんだけど、全員が全員、自分にしか書けない小説があるのは間違いないことだと思う。

だってこの世は多くの人で共有してるけど、誰一人として本当の意味で自分が見てる世界を他人に理解させることはできないから。

だからその人が自分の世界を表現しきったら、必ずそれはオリジナルになる。オリジナルになるし、その人の世界観を突き詰めた作品というのはかなりの確率で面白いに決まってる。好みの違いはあるだろうけど少なくとも興味深くはある。

観念的な話ではあるしなんか哲学の問題みたいになっちゃうんだけど、才能とかそういう話はひとまず置いておいて、根本的にみんな違う世界に住んでいるのだから、オリジナリティなんか意識しなくても、「表現し尽くそう」「ただ見てるものを伝えよう」と思うだけで必ず唯一無二の作品が出来上がるということ。

みんな小説書けば良いのに

極端なことを言えば、僕は国民全員の小説が読みたい。寿命が無限なら、あらゆる言語の国民小説が読んでみたい。

だって面白い小説って何本あっても良いじゃないですか。

一生に一本なら誰でも面白い物語が書けるというのであれば、全員が死ぬまでにその一生に一本を書き上げてほしいと思う。だって書かれない運命だけど面白い小説が埋まってるってことですよね。一億数千万の傑作が、この世にはあるということですよね。

机上の空論すぎるし、なんで小説なの?って話かもしれません。なんならブログでも良いし、文芸ですらなくて良いんだけど、こう、せっかく創作活動や表現手法が多様になって、それを見てもらう手段も増えた時代なんだから、もっともっと表現者・創作者が増えたら良いなと思うのです。

なんか言うの恥ずかしいけど、「あなたの世界をもっと見せてくれ」ってたまに強く思う。

ちなみにこの話はこの記事にあんま関係ないです。僕その場で思ったこと書き過ぎてやばい。

書きたかったのは、常居次人みたいなシステムって本当にできるんじゃないかなってことでした。

架空の小説家を作ってほしい

ネット上では小説投稿サイトがあるしみんなペンネームを同じにして作品投稿し続ければできるよねって話だけど、そういうことじゃなくて、世間にはマジでいると思われている人が実は架空の人物で…って本当にあっても良いんじゃないかって思うのです。ロマンを感じる。

だって今、村上春樹って本当はいないんだぜ?って言われたら「え?」ってなりますよね。

いろいろ無理のある話だけど、無理のある話だからこそとりあえず「え?」とはなると思う。

いないと思ってたものが実際いるってのもロマンがあるけど(妖怪とか)、当然いると思ってたものがいないってなったときの、よう分からん、みたいなのもロマンがありますよね。

架空の小説家を作る、ってここで書いてる時点でバレちゃったのでちょっとアウトなんだけど、最近とても興味のあることです。

誰かこっそり作ってくれないかな。

そんで晴れて架空の小説家が生まれたら、僕もその小説家として一本作品を書きたい。で、そのことは絶対誰にも明かしちゃいけないの。明かすのはその立場を人に明け渡すときのみ。

誰でも一生に一本くらいは面白い物語を書くことができるもんですねえ(完)

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