【ラーメンズ】舞台『tower』の芸術コントと不器用なコミュニケーションについて

公式のyoutubeチャンネルでラーメンズのコントを見られるようになってからというもの、作業用BGM的にコントを流してたりするのですが、中でも『tower』という講演で行われているコントって「コミュニケーションの話」だよなあと思ったので、実はコミュニケーションもテーマの一つとしているこのブログのネタにします。

コミュニケーションとは何かっていうと、たとえば「相互的なやりとり(応酬)」、「A地点とB地点のギャップを埋める行為」、「未知を既知に」そして「暇つぶし」などと言い換えられると思います。

これらのことを念頭に入れながらみると、『tower』にはコミュニケーションの妙が溢れてる。

そんなことを、コントを順番に並べながら書いてみたいと思います。

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「タワーズ1」

謎の足場に立たされている男性二人。

二人は謎の声が出すお題に従って、足元のブロックを組み立てていくことになる。

ルールは全く分からないがお題が進めば正解、同じお題が繰り返されれば不正解ということが分かっていく。謎の声と男たちのコミュニケーション。彼らは試行錯誤を繰り返し、要領を覚えていく。

お題はどんどん抽象めくが、協力してクリアしていく。

「カマンチョメンガー」や「セバルコス」と言った知らない言葉がお題にされると答えられない。まだまだ謎の声と男たちの間には知識のギャップがある。

これがオープニング。

「やりとりを繰り返すことで到達できる領域と、それ以上は無理という領域がある」というテーマが初めからバーンと見える。

 

「シャンパンとあやとりとロールケーキ」

式場の給仕らしき二人。

暇つぶしにあやとりをする男が、あやとり上の行為を理解しない男とあやとりをする。

「取って」では伝わらず、文字通り紐をがしっと取っちゃうので「奥から二本目を右手の小指で取る」と指示しなければあやとりが一動作も成立しない。

つまり、あやとりのルールを当然知っている男(と観客)と、あやとり上の「言葉の綾」をまったく取ろうとしない男がコミュニケーションを繰り返して動作を完了させる話

あやとりが1ターン成立するまで(AからBに移動するまで)に10分近くかかるが、見てる側はそこでちょっと達成感が芽生える。

2ターン目で指示を出していた方の男が諦める。

「やりとりを繰り返すことで到達できる領域と、到達できない領域がある」である。

 

「名は体を表す」

モノの質感に語感が似合ってるという話をする二人。

「空」って「そら」って感じするよね、「地面」ってじめんって感じするよね、要は「名は体を表すよね」という話。

だけど一方の男は分かってるようでいまいち分かってない。

例えを繰り返しても、「なんか伝わんねえんだよな感」は拭えない。

しつこいようだけど「やり取りを繰り返すことで到達できる領域と、到達できない領域」っていうものがはっきり見えるようになっている。

「名は体を表す」がいまいちわかっていなかった男が不意に「クリムゾンメサイア」などの造語を使って話しを展開し始める。

ここで、教える、教わるの関係が逆転する。

「名は体を表す」話しを架空の物語で展開する男。男が作った造語が、次第に具体的なイメージとなっていく。

あとは悪ふざけ。

一通り遊んだあと

「あ、バズーカって、バズーカって感じしない?」

「だからそれを言ってるんじゃない」

というラストで、2人の間のギャップは一応埋まる。

 

「ハイウエスト」

ずっと出オチみたいなコント。

どうだろう。たぶん語感が面白いよねってだけのコント。

動きが少ないので小休止的な意味もあるのかもしれない。

これを境に、前半、後半という風にも見える。

 

「やめさせないと」

後半は少し毛色が変わって、抽象性が減り、ストーリー性の強いコントが展開される。

タワーマニアのふたりが暮らすシェアハウス。

週末はどこのタワーに登ろうかと言う男に対して、今週は別の仲間とキャンプに行くと言う男。

嫉妬を焦りを覚えた男は、キャンプに行く男に変装してキャンプ行きを阻止するという展開。

コミュニケーションについて目に付くのは、はじめはスターバックスでの注文にあたふたしていた男が、最後にはスムーズに注文できるようになっているところ。

ファーストフード店やコーヒーショップなどでそれぞれ「独特な注文法に戸惑う」はたぶん多くの人が経験あること。

一度経験すると次からは何とかこなせるようになる。

「コミュニケーションの不器用さ」、「知ってる範囲でなければスマートにコミュニケーションできない」を表しているように見える。

 

「五重塔」

風変りで勢いがあるコント。

五重塔らしき塔と、その塔に登ろうとする男の会話という体のコント。

男は塔の中を登ったり下ったりリノベーションしたり切手を何枚貼れるかで面積をはかろうとしたり好き勝手する。

「ちょっと、私に勝手に入らないでください」

「それは、そこに塔があるからです」

「なぜ上るかなんて聞いてない!」

かみ合わないコミュニケーションから2人の会話は始まる。

コミュニケーションというよりも、舞台上で階数を重ねる、上る、下るという動作を観客に擦り込ませるためのコントと思われる。

 

「タワーズ2」

これまでのコントを通して、最初にはできなかった「カマンチョメンガー」や「セバルコス」ができるようになっている。

観客もよく分からない言葉じゃなくて、「あ、アレだ」と思い浮かべられるようになっているこの時点で、ラーメンズと観客のコミュニケーションが一歩進んだことになる(知識のギャップを埋める)。

タワーに沿って(おそらく)らせん状になっている階段を上るイメージで終わる。

タワーは積み上げるものの象徴、それを上り歩く姿はコツコツと一歩ずつ積み上げる動作であり、僕らの不器用なコミュニケーションの仕方を表しているよう。

 

最後に

信者と呼ばれることを恐れずに語らせてもらえれば、テーマ性が強くて象徴とかモチーフなんかが散りばめられているように見えるから、ラーメンズのコントは文学性、もしくはポエジーのようなものが強く、コントというより芸術とかって言われるのだと思います。

youtubeで配信されているので多くのコントが見られるようになってるけど、ラーメンズのコントは単品ずつより順番に見た方が面白いだろうなって思います。

【ラーメンズ】舞台『tower』の芸術コントと不器用なコミュニケーションについて(完)

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