インスピレーションの湧くところ。ライターズパラダイスを作りたい

ワーホリ中の根無し草だった半年間、僕は自分のまちのことをばかり考えていた

っていう記事を以前書いたんだけど、当時の苦い思い出を唐突に思いだしたので枕のお話しとして冒頭で紹介させていただこうと思う。無駄な話ですよ。

それは、サーファーズパラダイスという地域からバスに乗ったどこかの町(名前忘れた)へ移動したときのことです。

まだ現地に到着して一週間ほどしか経っていないころ。僕は空港から出るバス以外ではまだ現地でバスに乗ったことがなかったので、正しいバスの乗り方が分からなかった。

とりあえず乗って、少し経って、「あれ、これ支払いってどうすんだ?」って急に焦りだす。

正直乗り込んだときの記憶があまりないのです。緊張してたんだと思う。整理券も持ってないし、日本のバスみたいに電光掲示板に料金が出るアレもなかったはず。

しかもバス停についてもアナウンスされない。「次は〇〇、次は〇〇、お降りの方は~」って言われない。高まる焦りと、窓には高速で流れていく異国の景色。こわいこわいこわい。どこまで行けてしまうんだろう。

こわすぎて近くにいた老夫婦に(勇気を振り絞って)「あの、お金っていつ払うんですか?」的なことを聞いたけれどなかなか意思疎通ができない。運転手さんに言うと良いよってとりあえず言われて、まあそうだよなって、大人しく座る。

目当ての地域と思しきバス停に停まったとき、僕はすかさず運転手さんにこう言いました。

「サーファーズパラダイスから乗ったんですけど、いくら払えば良いですか?」

運転手さんめちゃくちゃ怒った。

ああ!?何言ってんのお前、勘弁してくれよみたいな(そう言ってたわけじゃない。聞き取れない。とにかく怒ってた)。

僕は当然取り乱す。え、いやあの、支払い方が分からなくて、いくら払えば良いですか?サーファーズパラダイスから乗ったんです。本当です。

運転手さんすごい嫌な顔です。

僕は持ってるお金を扇のように目の前に広げて、お金を払う意志があることを伝える。お金ならあるんだ、ちゃんと払いたいんだ。ほら、お金お金。取り乱し過ぎて、とてつもなく下品な行為をしてしまっていることに、このときは気づきませんでした。

もう良いからとりあえず降りてくれ、みんな待ってるんだよ、早く降りろ。俺にはどうすることもできない。お前はみんなの迷惑になっている。

これは本当に言われた。

振向けば確かに早くバスに乗り込みたい人達が僕のことを怪訝な目で見ている。僕は彼らの脇を通り抜けてバスを降り、力なく目の前にあるベンチに座り込みました。

故意にではないにしても初めての無銭乗車。札束を人の顔の前に広げる行為の下品さ。そして「お前は迷惑をかけている」という言葉と乗客の目。

お前が迷惑だなんて、そんなストレートに言わることなんてあると思ってなかった。

どうすれば良かったんだろう。先に行先を告げて整理券を受け取る式だったのか。でも(よく覚えてないけど)すんなり乗れたし、そんなチャンスなかったぞ。みんな普通に乗り込んでたからそうしたはずだぞ。

本当にサーファーズパラダイスから乗ったのにな。発音が悪かったのか?帰りどうしよう。サーファーズパラダイス。サーファーズパラダイス。サーファーズパラダイス。

なんて地名だ。良いなあサーファーにはパラダイスがあって。放心状態の僕はこんなことを考えながら気を取り直していたのでした。

サーファーズパラダイスは僕もサーファーだったらなと思うほど、確かにサーファーズパラダイスだったように思う。

日光がギラついていて、サーファーじゃなくたって海が、波が、恋しくなる。海岸が近くて、上裸に海パンで歩き回ってる人がたくさん。朝、宿で目が醒めたら、顔を洗うより先にまっすぐ海へ走って飛び込めば、一日の始まりとして文句のつけようがない。

一乗りして腹が減ったらフレッシュフルーツジュースとケバブ的なものでも口に放り込めば良い。

サーファーとして朝を迎え、日が沈むと共に宿に帰るなり飲みに出かけるなりしてまた明日に備える。そんな毎日が簡単に想像できる場所だった。

いいなあ、パラダイス。

ということで、僕はライターズパラダイスをつくりたい(本題)。

 

このブログではまちづくりをテーマに掲げているんだけど、僕はあんまり社会活動に興味がある人間ではありません。

人の役に立ちたい、社会を発展させたい、地域を元気にしたい。

そんな気持ちはさらさらないと言えば嘘だけど、少なくとも今は地域の元気が僕の元気という風には考えられないし、カラ元気ならふるわない方がマシだとすら思う。まちも人も。

ブログ上では色々と取り繕って、世のため人のためと言わないでもないけど、多分おおかたが口からでまかせなんだろうと思う。

僕は僕のパラダイスを作りたい。それで、僕と重なる部分がある人にもそのパラダイス感が満喫できるところなら良いなと思う。これをとりあえず「まちづくり」と呼んでいる。

ライターズパラダイスってどんなところだろう。

サーファーズパラダイスをお手本とするなら、朝目が覚めたとき、よし今日も書くぞって思えるようなところだろう。海に飛び込みたくなるような感覚で、文章の中に飛び込んでいけるような場所。

どちらかというと夜中かもな。夜中、ムラムラと何かを書き殴りたい欲望にまかせて、赴くままに振る舞える自分が満足できるところ。

静かに落ち着いて執筆ができるとか、Wi-Fiが快適に使えるとか、そういう環境自体は表面的なものでしかありません。

いや必要だけど。欲しいもののことで欲を言えば、夜中にサンドイッチ作ってくれるお店とか、美味しいコーヒー淹れてくれるお店があったら良い。書いてるとお腹へるもんな。

とにかく、僕は自分のまちが便利になれば良いとか、住みよいまちになれば良いとはあんまり思ってなくて、書く上で都合の良い環境なら良い。

そういう目線で、あったら良いなの理想は尽きないけれども、サーファーにサーフボードや海だけでなく良い波が必要なように、ライターがツールや環境よりもっともっと切実に望むのはインスピレーションなのではないか。

じゃあそれってどこにあるのどこから湧くの。

それが分かれば苦労しませんけど、インスピレーションが湧くところを、ぜひとも作りたいのです。

 

でもきっと、インスピレーションは至るところに落ちている。

夜更け、夕焼け、食事、会話、におい、出会い、恋、時計、仕事。

こうして並べると、インスピレーションだっておおかたは都会に落ちているものなのかもしれない。ほんと、都会には何でもある。

僕は田舎と同じくらい都会も大好きなんだけども、都会の便利さそのものよりも、インスピレーションの芽というか、角を曲がれば何かと接触する可能性みたいなものが好きです。

札幌に住んでいたとき、夜中のコンビニに何か買いに行くのとかでもワクワクしました。意味なく狸小路を歩くのが好きでした。深夜の札幌駅南口が好きでした。北大の構内を散歩するのも好きだった。

どうしてとは言えないけど、そういう好きな場所には創造力の源があったから、書くのに疲れたら自然と足を運ぶ息抜きスポットでもありました。

そんな種類の、書く人にとっての息抜き&充電スポット的エッセンスを丸ごと自分のまちに生み出すことができれば最高だと思う。自分のまちが、僕にとってより特別な場所になると思うから。

僕の感覚だけでこんなこと言ってても詮無いことなんですけどね。

ただ最後に一つ言いたのは、インスピレーションを求める僕として田舎に感じる問題は、お気に入りのスポットがあったとしてもそこに一人で行くのが若干怖いってこと。

どちらかというと僕は夜に散歩するのが好きで、湖とか、グラウンドとか、星が見える場所とか、あと洋館とか、行きたいんだけども、怖さにまけてしまって怖い想像ばかりしてしまってお話しにならない。

怖い話も想像も大好きなんだけど、本当に体験するのはやっぱ怖いし、ぞくぞくしてるだけじゃお話しにならない。

田舎の場合、あの角を曲がったら起きそうなことが心霊現象で、ふとしたことがきっかけで出会っちゃいそうなのが幽霊なんですよね。それはちょっとアレですよね。

インスピレーションってより霊感が湧いてしまいそうなところが明りも人もいない田舎の問題だと思う。だから、そういう意味で、まちがもうちょっと賑やかになったら良いな、夜中でもある程度人気があると良いなと思います。

まちづくりがんばろ。

インスピレーションの湧くところ。ライターズパラダイスを作りたい(完)

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