一人アーティストインレジデンス中に考えたこと

農家さんのうちでしばらく芋ほりを手伝ってました。

およそ一週間の作業なのですが、ほとんど泊まり込みでの作業です。自宅までは30分ほどの距離なので通ってもまあ良いのですが、滞在した方が楽なので泊まらせてもらいました。

パソコンを持って来てるので作業外の時間はブログ記事の下書きをしたり仕事したりもできるし、Wi-Fiも使えて静かな個室もあてがってもらって作業環境的にも文句なし。

ああ、僕いま個人的にアーティストインレジデンスしてんな、って思った、というのがまず頭に浮かんだこと。

次に、こういう経験って、他の人に分けられないだろうか、というのが二つ目に頭に浮かんだこと。

そして、実現可能性について本格的に考えてみるべきだろうか、というのが、三つ目に頭に浮かんだこと。

この順番に、少し欲張りなようだけど、考えたことをサラッと書いてみようと思います。

思考の垂れ流し注意です。無駄に長くなる可能性があります。

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アーティストインレジデンスってなに?

アーティスト・イン・レジデンス(Artist-in-residence program)とは、各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のことである。

とウィキペデイアには書いてありました。

僕が住む士別市でも行っていることで、実は今月、二名の作家さんが僕の家に滞在することになっています。

去年も二人の作家さんとお会いして、一人とは一週間ほど、もう一人とは一月ほど共同生活しました。

家を拠点にして制作場で作業、家に来る前後では農作業の体験をしたり、ワークショップを行ったりしていました。

良いですよね。僕はこういう事業はもっと充実していけば良いと思う。

ちゃんと作家さんに日当が出て、制作場所とお披露目する場所があって、地域では文化的な価値の理解や興味が進んでいけば、お互いにとって必ずプラスになると思う。

一人アーティストインレジデンスしてた

僕は別に誰に招かれたわけでもないけれど、家の中では自由に過ごしててーってその農家さん(友達の親御さん)が言ってくれたものだから、パソコン持ち込んで、作業前に小説書いたりしてました。

うんうん、できるできる、と思いました。

これ良いんじゃないの?って思ったとき、ああ、ツイッターでお知り合いのあの人とか、この人とかと、こういう形の合宿もできたら良いかもなあ、とか思ったのです。

何も市の事業なんて大げさな感じにしなくても、僕が個人的に招くという感じでも別にできないことないんだよなと。むしろ個人的にこっそりやることでよりメリットを提供できるのではないかと。

そうは思ったけれど、そういう前提で考えるとまだまだ課題や問題点はあります。

個人的にアーティストレジデンスのようなことをやる場合の問題点

農作業中に考えた、アーティストインレジデンスの問題点を書いていきます。

快適な環境は少ない

今回僕がお手伝いした農家さんは、同級生の実家ということもあり、親御さんをよく知っていたから、僕にとってはとても良い環境でした。

作業が終わって晩御飯を食べたらそれぞれさっさと部屋に行って寝てしまうし、家の中はかなり自由です。

冷蔵庫勝手に開けてねー、お風呂も勝手に使ってねー、洗濯は自分でしても良いし嫌じゃなかったら一緒に洗うから置いといてねー、車も使って良いからーって感じ。

でもこれって、普通に考えて僕を知ってるからここまで自由なんですよね。いやご両親の性格的にわりと誰にでもこう言ってくれるかもしれないけど、そう思えばこそ、僕が誰でも良いというわけにはいかないわけです。

ある程度信用できる人と一緒じゃなければ不安にさせてしまうかもしれないですよね。

僕が今回体験したような快適な環境ってそもそも特別であって、これを基準に考えるのは間違いだなと思うわけです。

労働力と作業時間を確定できない

今回は農作業でシュミレートしますね。

農作業の場合、どうしても天候との相談という面が出てきます。

今回僕がやった芋ほりは、雨が降るとできないんですよね。

だから雨がないと想定してこのくらいの時間で終わるよ、なんて最初に言われたのですが、僕が行った初日から午前中はできない、みたいになってしまいました。

僕はまだ良いけど、よそから人を招いて、雨だ、明日も雨だ、みたいになったら計算が狂ってしまいますよね。

それはそれで書く作業時間が増えて良いのですが、誰かを招くと考えると、滞在時間も限られるだろうし、農作業ができないということはそのまま報酬が減るということもあります。

農家さんにとっても、滞在期間が限られているということは新たに労働力を確保しなきゃならないということで、それはそれで問題だったり。

体力面の心配

農作業に限らず、慣れない仕事って疲れますよね。

農作業は、楽な作業だと最初は思うし実際できてしまうんだけど、後からめちゃくちゃ疲れてることに気付く、みたいな作業になりがちです。

創作や執筆が念頭にあると、「あれ、これ書けなくない? 寝ないとヤバくない?」みたいになって、アーティストインレジデンスのアーティストたる部分がおろそかになります。

だからそもそも体力に自信がない人に、簡単にやれって言ってできるもんじゃないなと。

他の肉体労働と比べるとソフトな作業も多いというだけで、内容によっては普通にハードです。

食わんとやってられんと感じる程度にはハードなので、23日ならまだしも、1週間の作業となると誰でも耐えられるということにはならないなと思う。体力削られて書けなくなったら本末転倒だし。

個人的にアーティストインレジデンスを行うメリット

個人的にアーティストインレジデンスを行うメリットはあるだろうか?という点について考えます。

純粋に創作に没頭できる

アーティストインレジデンスって、市とか企業とかが行うものですよね多分。

僕は市の事業としてのアーティストインレジデンスが身近なのでそのイメージで語りますが、どうしても、市による事業となると、「地域への貢献」がセットじゃなきゃいけないみたいなところがあると思います。

今回来てくれる作家さんも農作業体験と称して労働力として駆り出されるようだし、中学校でワークショップもやるって言ってたな。

それはそれで良いことだと思うんだけど(そういうの好きな人もいるしね)、制作する、作業に没頭するというだけでは済まされない空気があります。

地域の特色や、その地域で得た何かを創作に活かして発表するみたいな風にもなりがち。

そりゃ市や国のお金を使ってやるのだから分かりやすく「価値」や「意義」を作り出さなきゃいけないんだろうけど、何というか、公的な活動になるんですよね。

いや市の事業をディスってるわけじゃなくて、システム上そうならざるを得ないよなと思うということ。

その点、個人的な営みであれば、そういう建前的な、大義名分的な要素を排除して、より創作に没頭してもらえるのではないかと思うから、市の事業はありつつも、個人的にできないか?と考えるのは有益だと思うのです。

しかし、公的な要素なくして人を招く意味はあるか?

極端なことを言えば、僕に潤沢なお金さえあれば、パトロン的な存在になれる。

しかし、ただお金を渡すだけなら、そもそも移動してもらう必要がないわけです。純粋に創作に力を使ってほしいと考えるなら、この人を応援したいという人がいたら、口座にお金を振り込んでおけば良いって話。

noteとかでは既にできますもんねそういうことが気軽に。サポート機能があるので、お金を送ったり受け取ったりできます。それを今さら、アナログで、(と言えばよいのか?)やる必要があるかい。

そう考えれば、その地にアーティストを招くのは、その地に招くという点に意味がある、ということですよね。

アーティスト側のメリットとしてはいつもの生活圏と違う場所で生きることでインスピレーションが高まる可能性があり、いつもと違う経験をすることで得るヒントがある。

でもそんなの、旅に出たりいつもはいかない店にいけば事足りることなんですよね。感受性の強い人は結局どんなところに行っても何か得るものだし、だからわざわざ、こんな辺鄙なところに招く必要あるかい?となる。

だから、その地で作って作品を置いていくとか、その地で人と交流するというところに重きを置くのも、やはり必然なわけです。

やっぱりそういう地域貢献の姿が前提になるのは変わらない。個人でやろうが、市でやろうが、作家を招いて作業してもらうということは、そういうことだ。

大聖堂に絵を描いてもらうみたいなこと

そこまで考えて、思いついたのは、その地での創作活動そのものが労働となり、価値となる仕組みを作らなければならないんだろうな、ということ。

大聖堂に絵を描いてもらうみたいなことです。大聖堂は動かせない。ここに絵が欲しい。作家を招く。その間の食と住はまかなうというか、その地での創作活動に対する対価を差し出せればよい。

しかしそれでは自分の創作にさける力が極端に減ってしまうなあ。ジレンマだ。そうとう条件が良いか、そのプロジェクトに熱いものを感じなければ、それは実現できない。

けれどその道しかないと思うなあ。

そこで創作活動をして、その地域の創作に携わったということが後々自分のステータスになったり、糧になったりする大きな創作活動をする。いっとき養ってやるとか経験させてやる、ではなくて、心から協力してほしいと思えるものを創り、作家と対等な関係を作る。

と考えただけで具体案的なものはないのだけど、方針としてはそんなところから考えても良いかもしれない。

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