【旧佐藤医院】少しずつ変わっていくコミュニティスペース

旧佐藤医院

北海道士別市朝日町というところで、コミュニティスペース「旧佐藤医院」を運営しています。

基本的な方針は貫いたまま淡々と自分たちのペースで運営していますが、次第に変化していくことがあります。

こうして運営者自身が発信していることもありますし、来てくれた方が写真を撮ってご自身のフォロワーに広げてくれたり、今年はお世話になっている方の紹介を経て雑誌の取材を受けたり、だんだん認知の領域が広がってきたなと感じます。

行動を起こすことで「本来なら会えなかった人に会える機会ができる」という点を僕は驚嘆を以て見つめているので、この変化は嬉しい限り。

ただ、多くの方に興味を持ってもらえて、それぞれの文脈で旧佐藤医院を利用してくれる方が増えるのは嬉しいですが、人に知られるようになればよりマネジメントが困難になっていくなということも実感しています。

そんな話を書きます。

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コミュニティスペース「旧佐藤医院」において達成したいマネジメント像

旧佐藤医院において達成したいマネジメント像は以下のようなものです。

  1. なにより場(建物・空間)の維持を最重要事項とすること。
  2. 価値を提供する場というよりは、価値を生み出せる場にすること。
  3. 公の空間と私的な特別感という両価を追及すること。

少々分かりにくいと思いますので、それぞれ少し詳しく説明してみます。

なにより場(建物・空間)の維持を最重要事項とすること。

場(建物・空間)の維持と言えばそれ以上でも以下でもないと思いますが、実は物質的な意味と精神的な意味の両方があります。

物質的に建物を維持するには、メンテナンスなどを小まめに行う必要があり、お金が必要になります。ここで言うマネジメントとは、いかに運営にかかる費用を捻出するか、という問題に言い換えても問題ありません。

しかし、ただ建物を残すだけではいけません。「旧佐藤医院」は物珍しい建物ではあるかもしれませんが、文化的に価値のある建造物というわけではなく、「ある」ことに多大な価値があるわけではありません。

この建物が残っていて良かった、この建物を使えて嬉しい、この建物でこんなことがしたいという、利用してくださる方の精神にとって有益な場を維持することが、建物それ自体を維持するのと同じくらい重要です。

価値を提供する場というよりは、価値を生み出せる場にすること。

旧佐藤医院という建物は、文化的な価値のある建造物であるとか、有名な建築家の手になる建物だというものではありません。

内装が珍しかったり、贅沢な造りを見ることはできたりするので、確かに建物の内外を眺めているだけで楽しいのですが、だからと言って入館料を取るというようなことはしていません。

これは「建物がある」ということ自体に価値をつけないという意思によります。

一方、旧佐藤医院内で収益の発生するイベントなどを行った際には、売上の10%を貰い受け運営費に充てています。建物を使って、価値を生み出したことに対して対価を得るという構造になっています。

その他には、旧佐藤医院の活用維持をサポートしてくださる方を随時募集している他、館内の値札がついた製品をお買い上げいただいた場合はそのまま運営費にさせていただいています。

現在は旧佐藤医院にあった備品などを売っているのでこの点において「価値を提供する場」という側面を持っていますが、食器の作家さんや手芸の巧みな方が旧佐藤医院で作品をディスプレイしお客さんに買ってもらう、というような使い方が活発になったら素晴らしいなと思います。

公の空間と私的な特別感という両価を追及すること。

表向き「誰でも館内を自由に利用できます」と言っておきながら、現在は5月から10月の毎週土曜にしか解放日を設けておらず、決して使いやすいコミュニティスペースではありません。

その他の日程でのご利用は直接ご連絡をいただき予約という形で対応しています。

はっきり言って僕らにとっても利用する方にとっても面倒な仕組みになっていると思いますし、毎週土曜しか開いていないのでは「パッと見いつも閉まってる」のが旧佐藤医院のイメージです。

解放頻度や予約システムについてはけっこう悩みどころではあるのですが、僕はこの方式が公でありながら私的な空間を作ってもらえる場所として相応しいと考えています。

ぷらっと中を覗いてみたい、ちょっとゆっくりしたいという方は都合が会えば土曜に、こういう理由で使いたいからこの日が良い、この日に開いてたらこれをしにいきたいという方はそう仰ってくれれば貸切状態にできる。

外的環境の変化に伴って、工夫や変化が求められるコミュニティスペース運営

少しずつ旧佐藤医院を知っていただける機会も増えてきました。

この運営方針は決して分かりやすいものではない上、あえて明文化したらこう、という程度のあやふやなものです。

お金どうしようね、人が来れば来るほどお金かかるもんな。もうスペース使用料金みたいにする?みたいな話だってしないことはない。

結局それは違うよね、みたいな話になるから多分しないのですが、興味を持ってくださる方が増えれば、何らかの工夫、何らかの変化が求められる。

しかし、どんな工夫をするにせよ、どんな変化をするにせよ、ここであげたマネジメントの理想像三つは念頭において、多くの方の個人的な価値が生まれるコミュニティスペースにしたいと思っています。

 

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