僕とばあちゃんの給湯器問題

問題というほど大した問題ではないんですけど、僕とばあちゃんの給湯器問題の話をしようと思います。

僕は現在、80を過ぎた祖母と二人暮らしをしています。

通常、誰かと暮らすというのは少なからずストレスが溜まるものだと思いますが、それは家族でも同じ。

ところが、孫とばあちゃんくらい歳が離れていれば考え方や習慣が違うのも当たり前だし、出来ることの違いも明瞭で、むしろ補い合えるところの方が多く、いわゆる価値観の相違がそれほど大きな問題になることはありません。

しかしときには、やはりすごく小さなことがストレスになることもある。

祖母は祖母でいろいろ我慢しているのだと思いますが、僕側の小さなストレスの一つが、給湯器問題な訳です。

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給湯機問題の概要

概要をざっくり説明すると、「お風呂と洗面台のお湯を司る給湯器の使い方をばあちゃんがなかなか覚えてくれない」という一言に尽きます。

うちの給湯器の操作パネルはこのようになっています。

これが洗面所側の操作パネルで、通常、春から夏にかけては温度を3に設定してあります。

 

一方、風呂場の方はというとこのような操作パネルとなっており、温度は7に設定してあります。

つまり、普段は3の温度設定のままお湯を使い、お風呂に入るときだけ7の温度設定に切り替えてお湯を使うわけです。

その切り替えはボタン一つですね。多くの給湯器パネルに付いている機能だと思います。

そう、お察しの通り、「浴室優先」のボタンを押せば良いわけです。

浴室優先時の設定温度が7になっているわけですから、お風呂を使うときだけここをピッと押して設定温度を7に、それ以外のときは浴室優先を解除して設定温度を3にすれば良い。

だからお湯が熱いなと思っても温度設定をピッピッピと変える必要はありませんし、シャワーがぬるいぞと思っても温度設定をピッピッピと変える必要がないのです。

普段洗面所では3に設定された適度にあったかいお湯を使い、お風呂に入ったりシャワー浴びたりするときだけ浴室で浴室優先ボタンを押し、40度以上のお湯を使えば良い。

ところがばあちゃんの辞書に「浴室優先ボタン」が無いせいで、頻繁に設定温度が変えられています。浴室優先時の給湯温度が3になってたりするのです。ぬるいシャワーが出るわけです。

僕はお風呂場の方の操作パネルで設定温度を7に戻す必要がある。

たったそれだけのことなのですが、度重なるとストレスになります。

これが「僕とばあちゃんの給湯器問題」なわけです。

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給湯機問題の終息

僕はばあちゃんが浴室の給湯能力を下げるからピッピッピと温度を上げることになります。

小さな小さなストレスの積み重ねです。

「ばあちゃん、給湯器の温度上げ下げしないで、洗面所で熱いお湯が出ると思ったら浴室優先ボタンを押してくれ」と頼みますが、明らかにピンときていない様子。

何度目かには、ばあちゃんを洗面所に連れていってレクチャーしましたが、自信がない様子。

まあ仕方ない。覚えてしまえば単純な話だけど、急にこの場合はこうで、この場合はこうって話をされても覚えるのは難しいだろう。

実際うちのおばあちゃん、「最初に使い方教えてくれた人はそんなこと言ってなかった」と不服気味です。最初に覚えた通りに今まで使って来たから、急に新ルールを導入されても困るのでしょう。

そもそも、ばあちゃんが給湯器の温度を上げ下げしなければならない理由は僕の方にあります。

シャワーを浴びたあと、僕が浴室優先を解除するのを忘れるのです。

ばあちゃんからしてみれば、洗面所のお湯を使おうと思ったときにやたら熱いお湯が出る。

浴室優先になってる訳だから、洗面所側ではボタンが操作できません。

つまりばあちゃんはとにかくお湯の温度を下げなきゃならんということで、操作が利くお風呂側の操作パネルで浴室優先ボタンはスルーして、ピッピッピと設定温度を下げて、3にしているということなのです。

だからまあだいたい僕が悪いんだけど、「ばあちゃん、そういうときはこの、オレンジに光ってるボタンを押せば良いから。一回だけボタン押せば良いんだから」と厳しめに言いつつ、解除し忘れててごめんって思う(言わない)。

この給湯器問題をどうすれば良いのだ?と僕は考えます。

どうすればおばあちゃんに温度設定を変える必要はないのだということを理解してもらうことができるのか、どうすれば浴室優先ボタンの存在に気づいてもらえるのか。

おばあちゃんの名誉のために言っておくけど、うちのおばあちゃんは歳の割にかなりしっかりしてると思います。

会話もシャキシャキできるし、食事だって僕の感覚でよそった一人前をペロリと平らげます。庭仕事とか一緒にすると、疲れが残って後でダラダラしてしまうのは僕の方です。

ばあちゃんらしく編み物もするし、僕が図書館で借りてきた小説も2日程で読み切ります。

ちょっと前に出た任天堂のクラシックミニファミリーコンピューターもおばあちゃんがやりたいというから買って来ました。携帯も使えるし、使いこなしてるとは言えないけどパソコンだって使えます。

ただ…

給湯機の設定だけを覚えてくれない!

覚えてくれないっていうか、情報のアップデートが一向になされない!

なんでだ、なんでだばあちゃん、なんでスーパーマリオはできるのにコレは分かんねえんだってちょっと問い詰めたくなるけど、80過ぎたばあちゃん捕まえてなんでわかんねえんだもないでしょう。悪いのだいたい僕だし。

結局僕がシャワーを浴びたときに、しっかり浴室優先ボタンを解除することを徹底すれば良いのだという結論に落ち着いたけど、やっぱりつい忘れてしまうことはあって、そうするとその隙をつくようにして浴室の設定温度が3に変わってたりするのです。

「だから、ばあちゃん温度上げ下げしなくて良いから!今度温度変えたいなって思ったらちょっと一回声かけてくれよ」

僕は訴えました。

そんな切実な声が届いたのか、こないだ、「こういうときはどうするんだった?」と声をかけてくれました。そう、僕が浴室優先ボタンを解除し忘れていたのです(謝らない)。

「このオレンジ色に光ってるボタンあるじゃん。これ見えないかもしれんけど浴室優先って書いてあって、光ってるってことはこっち側(浴室)で操作できる状態ってことだから。これ押せば良いの。これ押したら浴室優先解除されて、洗面所側の設定温度に変わるから」

「温度上げたり下げたりしなくて良いんだね」

「そうなんだよね(そう言ってたんだけどな!)」

こうして僕らの給湯器問題はとりあえず、静かに終息しました。

ちなみに、これまでお風呂入るときばあちゃんどうしてたのかというと、やっぱり浴室優先のボタンは触ったことがないそうなので、洗面所側で温度を上げ下げしてから入っていたそうです。

なんの話だって感じだけど、ばあちゃんが「浴室優先ボタン」に気付いた記念の記事でした!

僕とばあちゃんの給湯器問題(完)

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