神経衰弱で何度も同じカードをめくってしまう問題からクリエイティビティ喪失を考える

自分で考える創作論

トランプゲームの神経衰弱をやっているといつも疑問に思うのだけど、なんで僕ら何度も同じカードをめくってしまうのでしょうか。

一度合わなかったカード、目当ての数字じゃなかったカードは触る必要はないのに、めくってから、あれ、これさっきもめくったな、というのを何度もやってしまう。

僕だけじゃないはずです。狭い狭い観測の範囲だけど、大人になるにつれて誰でもこの傾向は大きくなるなと感じます。つまり神経衰弱は年々弱くなる。

歳だな、で済まして良い問題ですが、それはトランプの遊びだからであって、もしかしたら日常でもこのレベルのミステイクを僕らは犯し続けているのかもしれない。

そしてその頻度は歳を取るにつれて多くなるのが普通なのかもしれない。

そう考えると怖くないですか。僕らさっきと違うこと、自分が知らないこと、をやるのが難しい生き物ということかも。

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漫然としていると同じことをしてしまう

そもそも神経衰弱で何度も同じカードをめくってしまうのは、それほどやる気がないから、というのはあると思います。

最後にトランプで本気で勝ちにいこうと思ったのはいつですか?もう随分昔か、もしかしたら今まで一度もないという人もいるかもしれません。

それほどやる気がない、集中してない、だから同じミスを繰り返す。

ミスと言うのがちょっと違和感かもしれません。しかし、例えばクリエイティビティを要求されるような領域では、同じことを繰り返すというのはけっこう損なことだと思う。

惰性で同じことをしてしまう、自分の手でひらけるハズだった未知を逃す、好奇心が働かない、すべてミスと言って良い。常に変化し続けることでしかクリエイティビティは維持できない。

しかし漫然としていると、僕らは手癖に従って同じようなことをしてしまう。

やる気があること、集中してやることならばそんなことにならないのでしょうか?

念のため、「歳を取るにつれてさっきと違うことをするのが難しくなる」と知っていた方が良いのではないでしょうか。

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すぐに怠けることを覚える

ちょっと余計な例えかもしれないけど。

僕たまにやるのですが、たとえば適当な言葉を発し続けるとするじゃないですか。「適当に単語を発し続ける」というルールしかない遊び。

「犬」とか「獅子座流星群」とか「カーテンストッパー」とか「更年期障害」とかいろいろ、もう別に無いものでも全然かまわないのですが、けっこう難しいです。

何が難しいって、ひたすら単語を言ってみようと思うと、例えば犬と出たら動物で連想して猫とか虎とかクジャクとかって言ってしまう。

本当にランダムに、法則性、規則性を無視して自由きままに言葉を発しようとすると本当に難しいんです。しし座流星群、太陽系、天体観測、夜空、望遠鏡、みたいになってしまう。

そもそも犬の次に獅子座流星群ってあたりでもう微妙に動物引きずってますからね。

別に悪くないんです。適当に言葉を発し続ける、というルールしかないんだから別に間違いではないのですが、やってめっちゃ面白くない。あーこの道筋に従っていけば楽だわーってのを見つけてしまって、その通りに半分自動走行みたいになっていると、もうやる意味ないなってなってしまう。

あーなんかブログの記事書いててもそうだなあ。同じようなこと書いてしまうし言い回しとか展開とかって変わりにくい。

僕らは必ず同じ轍を踏むようにできてるっぽいからよく気を付けましょう

良し悪しだと思います。

クリエイティブな領域では、常に新しいものを探し出す力が必要になる一方で、熟練した、安定のオリジナリティが必要になる。矛盾していますが真理です。

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しかしより意識すべきが、僕ら気を抜くとすぐに同じ手を使う、ということだと思うのです。放っておいても僕らは同じ道を自走するように出来てる。前と同じこと、慣れてること、手を出しやすいことを繰り返すようにできてる。

だから反復とか洗練とかはあまり意識する必要ないんじゃないかというのが僕の意見。それは続ければ勝手についてくる。意識しなきゃなのは、ゼロからやり直すのを億劫に思う気持ちに勝つことだと思います。

「同じ轍(てつ)を踏む」という慣用句があります。過去の自分や先人がつけた轍(わだち:ここでは失敗のこと)を踏むことを戒める言葉です。

クリエイティブな領域では、同じことを繰り返すことそのものがミスになることが多いです。意識的に自らがつけた轍を避けて、常に別の道はないか?使ってない手はないか?めくってないカードはないか?を自問し続ける必要があると思います。

 

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