文章、言葉の大きな特徴に、「順番に並べなければならない」というものがあります。
考えたことがあるでしょうか。言葉は必ず順番に処理されなきゃならない。僕らは一文字ずつ順番に刻まなければならないし、一文字ずつ順番に話したり聞いたりしなければならない。
どれだけ速さを求めても、言葉ばかりは重ねるわけにはいかない。
心を込めて大声で
「あ」
と言えば、伝えたいことがすべて伝わるなんてそんな都合の良いことにはならない。
様々な情報が同時に存在する世の中で、あらゆるコンテンツが速さと軽さを求める中で、言葉を扱うときばかりはどうしたって遅く、重く振る舞わなければならない。
これはまさに「今、ここ」に集中するということと同義であって、言葉を扱うことそれ自体が、僕らの生活を注意深く物事を見て、意味がなく雑多な情報を取捨選択し一本のラインにする作業です。
だから言葉を扱うこと自体がどうしたってスローな作業にならざるを得ない。
マインドフルネスが足りない!
自分で勝手にプレッシャーをかける癖があります。
行動力は乏しい癖にやりたいことがたくさんあって、あれもやらなきゃこれもやらなきゃが渋滞してしまう。
優先順位的にはお金を貰えるあの仕事をやるべきなんだけど心情的にはあの人と約束したあれをやらなきゃみたいになる。
個人的にはあの小説を書きたいんだけど、将来的には今やってる「書斎作りと作家の創作」を頑張った方が価値がある、と思ったりする。ブログだってこの先20記事分くらいが頭の中に溜まっている。
そこへ「生活上やらなきゃならないこと」が重なってくる。
あれも書かなきゃ、これも書かなきゃ、あれをやらなきゃこれもやらなきゃが積み重なって、勝手にプレッシャーを感じている。
たいていは僕にとってやらなきゃならないことってだけなんだけど、自分のことはなんでも重要に思いすぎるから、ポンコツな僕はすぐにビジー状態になりフリーズする。
今日もそう。朝から身体が重い。思考が働かず、食べたい気持ちばかりが湧いてくる。
これはまずい。ストレスの兆候。僕はストレスが溜まると食べたくなる傾向にある。
ストレスが溜まってるんだから仕方ない、と思う気持ちもあるけれど、同時にダイエットしなきゃならんのになあとか考えてしまう。
僕らの人生も一本のラインだから、ひとつずつ順番にやるほかない
文章を書いてると「順番に並べなきゃならない」ということは痛いほど身に沁みます。
順番じゃなきゃならない。一つひとつ並べていかなければならない。
一本のラインになって初めて意味が生じる。一つひとつの文字を雑多にぶちまけたって何にもならない。
意味を、意図を持って並べなければならない。そうじゃないと伝わらない。
文章を書き続けて、そんなことを常に教わっている気がするのです。
翻って僕らの人生だって、一つずつ、順番に並べなければならないという点では一緒です。時間は順番に流れていく。22日と23日が重なるなんてことはない。
僕らの人生は散文的で、一文字ずつ文字を刻むようにして作り上げられていきます。
コツコツやるしかない。できることを毎日刻み込むしかない。いっぺんにできないのが当たり前。遅くて当たり前。それが人生なのだと言葉が言う。
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