という記事を以前書いたのだけど、長編小説編を書いてなかったことに昨日気付いて、気付くと半端で気持ち悪いので長編の中でも特に大好きな作品を8つ選んで並べておこうと思います。
短編小説の方とタイトルを対応させようと思ったけどさすがに10回も読んでねえわって思ったので、好きな長編小説の中でも少なくとも4回くらいは読んだかなあ?ってやつを選びました。
思いついた順に書くのでランキングという訳ではありません。全部大好きです。
Contents
浅田次郎『壬生義士伝』
初めて読んだ時代物の小説。
読み返し理解が深まる毎に泣く回数が増える。
なんでもよく勉強しとけ、感動できる回数が増える、って教えてくれた本。
なにより、同じ本を繰り返し読むことの面白さを教えてくれた本。
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朝倉かすみ『田村はまだか』
読み終わってそのまま2週目に入った初めての本。
連作短編みたいな感じだから長編に入れるべきか迷ったけど。
素朴な話なのに感情がうずいて仕方ない。
これが小説を書くセンスってやつかと思い知った。
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桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
なんて色鮮やかな文章!
くりかえし読んだ…とは言ってるけど、全編キレイに読んだというわけではないです。
記憶に鮮明に残ってるいくつかの、「読み直したいあの一文」目指して気づけば手に取ってる本。
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谷崎潤一郎『痴人の愛』
読み返しては「小説おもしろー」っていうアホっぽい感想を抱いてしまう本。
美しくも賢くもない、でも愛おしい一冊。
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安倍公房『他人の顔』
緻密さを積みかさねてかえって嘘くさいみたいな空気が大好き。
最初のページから気づく、「あ、さてはこの人めんどくさいな」って思わせる空気が大好き。
「さあ、ゆっくり腰などおろして、くつろぐとしようよ。部屋の空気が悪ければ、すぐに窓を開けるがいい。必要ならば、台所には、急須もあれば湯呑もある。」
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コニー・ウィルス『航路』
長いけどどんな人にもおすすめできるくらい面白い。
キャラクターがみんな活き活きしてる。キャラクターはこう動かせ、いや、こう動くからキャラクターになるのだというお手本。
でも題材は臨死体験のSF。ほんと面白い。
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ジョナサン・キャロル『我らが影の声』
古本屋でジョナサン・キャロルの本まとめて買ったときは興奮した。
一章、チャプター1最後の「ぼくがばかだったのか? イエス。人殺しと喚きたてるべきだったのか? イエス。ほんの少しでいいから兄貴に愛してほしかったのか? イエス」まで読んだらあとはノンストップ。
文字なのに、たまに主人公の目がうつろになるのが分かる。
ミュリエル・バルべリ『優雅なハリネズミ』
ああこれは賢い子どもを、賢い大人が思いっきり救う話なんだと気付くと知らずに涙が溢れてる。
オズ映画のワンシーン、俳句を嗜む女の子。
日本の淡い美しさをフランス人作家である著者に教えてもらうような。
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カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
これ読んだあとに一人称小説書いたらなんか知らず知らずのうちに真似しちゃってることに気付く。恥ずかしいが影響力抜群の本。
『わたしを離さないで』『遠い山なみの光』『日の名残り』を読んだけど、タイトルがいずれもオシャレだと思う。
トミーの、繊細な機械仕掛けの虫の画が好き。
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パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」
いろいろ思い通りにいかなくて焦ってしまうときに読み返したくなる一文。
思い通りにいかないときは、きっと自分が何を望んでいるのかが分かっていないのだ。
本当に望んでいることと口に出すことが食い違っていたり、本当に望んでいることと行動が食い違っていたりするのだ。
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くりかえし読む大好きな長編小説10選(完)
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