答えを求めるのが観光、問いを求めるのが旅

問いと答えのバランスという記事を書いたばかりなのですが、タイトルのとおり答えを求めるのが観光、問いを求めるのが旅という風に考えれば、まちづくりの文脈において何かヒントになるような気がしたのでメモしておきます。

僕は、というか、僕に限らず多くの人が観光も旅をしたことがあると思うので言わんとしていることは分かってもらえるのではないでしょうか。

僕らは明確な答え、与えられた解答をただ受け取りに行くことがある。もしくは誰かが示した答えを確かめに行くことがある。

一方で僕らは自ら問うために身体を動かし、ものを見て、時間を過ごすことがある。

これもバランスの問題で、基本スタイルが観光、という人もいれば、基本スタイルが旅という人もいるのではないでしょうか。

どちらが正しいというわけではなく、誰もがこの二つの要素を併せ持っていて、そのときに応じて使い分けていたり、気分に応じて配分を変えていたりするのではないでしょうか。

そのことを意識して、じゃあ自分の町にはどんな配合を抱えた人が来るのだろう、どんな配合の人が気になる場所になるだろう?と考える、というのは、ぜひ一度考えるべきなのではないかと思います。

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観光と旅の比喩は人生という概念に敷衍して考えることができる

観光や旅という言葉に当てはめれば観光は観光、旅は旅、という風に思い浮かべる人もいるかもしれません。

観光と言われれば函館とか京都とか沖縄とか、いわゆる観光地のことを思いだし、そこでアクティビティを楽しんだり、お買いものを楽しんだり、食事を楽しんだりすることである、と。そして町をそういう場所にしようと考えることもある。

一方旅と言えばリュックを背負って、行くあてはあまり考えず、気分の赴くままに放ろうする姿が思い浮かぶかもしれない。当然、町をそういう人たちに向けた場所として作ることも可能かもしれません。

しかしここに罠があります。「人生を旅をする人に向けたまちづくり」という風にパッケージングを行うと、それはたちまち観光的な代物になる。答えを受け取りに来る人に向けた商品になる。

ここで言いたいのはもっと概念的な意味での観光と旅のことです。しばしば生き方にまで敷衍して考えることができる、答えを求めることと、問いを発することの、精神的な動機のことです。

まちづくりの文脈において、暮らしを答えに落とし込まなければならない力学が働いている

僕がまちづくりとか地域活性とかの文脈で違和感を覚えるのは、すべてを「答え」に落とし込もうとしてしまうところです。

本来問いの連続である「暮らし」を答えにまで落とし込んで、提供しなければならない、という力学があるように思います。

正しい生き方の一つに地方があり、地域があるという構図を作ろうとしているように感じるのです。

僕の思い込みかもしれないし、僕自身にもその傾向があることを自覚するけれど、バランスを考えなければならないと思うし、そのバランスに意識的である必要があるのではないでしょうか。

もちろん地域によると思うけれど、僕個人としては問いの方に重心を寄せてまちづくりや町の未来を考える方が望ましいと思います。

なぜなら、今日明日じゃなくて、5年後、10年後、この地域を存続させることができるのかという問題を抱えている地方と、5年後、10年後の自分の暮らしと納得を考える個々人が抱える問題が行き交う場所が「まち」という舞台だと思うからです。

移り変わる「答え」ではなく、その都度適切に「問う」ことができる土壌を、一部分的にでも作りたいと考えています。

問いが発生するような記事とまち

かなり抽象度が高く分かりにくいことを書いているかもしれません。

しかし言うなれば、僕がまちにおいて意識するべきだと考えるのが、この記事全体を象徴しているように思います。

ネットの記事というのは明らかに「答え」を提供するものです。少なくともこれまで評価されてきたのは明確な答えが示されているものでした。

僕はブログ記事において「要するに」という言葉を使わないようにしているのですが、それは「要するにこれが正しい」というものを僕らが無意識的に求めてしまう傾向があると思っているからです。

早く答えを、早く結論を、というのは一つの正義かもしれませんが、一辺倒の正義が人生に通用するわけではないということを僕らは知っています。

だからこうして町について発信する上で、大きな正義に呑まれないようにした方が良さそうだと僕個人は考えるのです。

その上で、誰かの問いが発生するような記事を書くことが大事なのではないかと思うし、記事全体が問いである必要があるとすら思っています。

ややもするとこの方針こそが一つの「答え」になってしまいそうな矛盾はあるけれど、そこでぐらぐらし続けることができるのが、バランスってヤツだと思います。

 

 

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