僕が一緒に時間を過ごしたい人のための民泊を目指してる、と言う勇気がなかった。

ゲストハウス
雪と木

 

民泊の運営で悩んでいたところ、以下の記事を読み勇気をもらいました。

「Booking.com」での予約受付を止めたという決断、そしてその考え方に関して強く触発されたところがありました。

一種の勇気を得て、便乗するようで申し訳ないですが、僕も民泊に関する記事を書くことにしました。

スポンサーリンク

随(まにま)という名前で民泊やってます

僕は道北の士別市、それも市街地から東に20キロほど進んだところにある「朝日町」というところで民泊を始めました。

随(まにま)という名前を付けています。

2018年の8月ごろからゆるゆるとスタート(冬季休業中)。

宿泊者はとても少ないので、「民泊やってんの?」「人来る?」と聞かれるのは「やってるけどそんな来ないよ」と言わなければならないので非常に心苦しい。

「冬はやってないんだ」と言うのも苦痛。「冬こそ大事でしょ」と言われるから。

と言うのも、朝日町はスキーの町でして、アルペンスキー場にクロスカントリーのコース、そしてジャンプ台まであるのです。冬季は合宿が盛んで、スキーの選手はたくさん来てくれます。

冬こそ、と言われるのは、そういう背景があるから。

やらなきゃな、と思うことはいくつかある。

予約サイトには登録すること、お店にチラシを置いてもらうということ、そのどちらもしないのであればサイトを作ること。

こういう、知ってもらうための努力なしに、僕の町のような辺鄙なところに宿泊に来るお客さんを呼ぶなんて無茶な話だと思う。

だけどできなかったです。

なんと、お客さんが来ちゃったらどうしよう、という気持ちがあったからです。

スポンサーリンク

僕が会いたい人に会うための民泊だから、漠然とした周りの人に流されちゃダメだ

民泊やると言っておいて、来ちゃったらどうしようとか考えるのはおかしいと思われるかもしれませんが、正直に言って、お客さんが来てしまったらどうしよう、という気持ちははっきりとありました。

こんなこと、なかなか人に話せません。

もし誰かに話したら「じゃあなんで民泊やるなんて言ったんだよ」とか、「意味が分からない」とか「何がしたいんだ」と言われるんじゃないかと思ってしまう。

「民泊やると言いながら冬はやってないだの、食事は出さないだの、そんなので良いのか」という声も直接聞いたわけではないですがあるようです。

古い家ですから冬期間は非常に寒く、基本的に休止状態にしています。食事は自炊でやってもらっています(畑でとれたものと、冷蔵庫の中のもので使えるものがあればどうぞスタイル。それ以外の食材はご自分で調達してもらわなければなりません)。

ときどき、あーやっぱり「ちゃんとやれよ」って思われてるんだなあ、と思う。ちゃんとやらなきゃな、と思う。

でもそれ以上に、言われた通りに「ちゃんとやっちゃダメだ」という気持ちがある。

なぜなら、「僕が会いたい人に会うため」の民泊じゃないか、という初志があるから。

他人の「こうすれば良いのに」に従っちゃダメだという、強い拒否感がありました。

しかし情けないことに、「会いたい人に会うための民泊だ」と口に出す勇気がありませんでした。「町に呼びたい人を呼ぶための民泊だ」と言う勇気です。

「そんな人いるの?」の一言の下に打ちのめされてしまうからです。

冒頭でリンクを貼った記事を書かれた立花さんのお話を読んで、会いたい人に会うための民泊だ、町に呼びたい人を呼ぶための民泊だ、と言う勇気が出ました。ほんと、誰かに便乗しないとこんなことも言えないなんて、情けないことです。

旧佐藤医院を創作のためのコワーキングスペースに

僕は僕が会いたい人がこの町に来て、時間を過ごせる場所を作りたくて民泊を始めました。

そして、そんな時間を通して、まちに文化を作りたいと思った。

僕が会いたい人というのは創作者です。もしくはまちづくりに関心がある人。

作る人、特に文章を書く人。僕が普段ライターのお仕事をしていて、ブログを書いていて、こうしてnoteを書いていて、小説を書いているので、人生のスタイルが似ている人と一緒に時間を過ごしたくて民泊の構想を練りました。

一緒の空間で仕事をして過ごしたい。そして創作に関するお話しをしたり、価値観について話をして、創作に活かし合い、文章に活かし合う、という時間を過ごしたい。

とは言え、それだけで一体どこの誰が知らない人の住まう古めの一軒家に来るでしょうか。

売りは自宅から50メートルほど先にあるコミュニティスペース&コワーキングスペースである「旧佐藤医院」です。

ここは稀有な場所だと思います。張り切ってアナウンスしたい町の自慢であります。

ここを基本的に無料で使うことができます。現状僕の独り占め状態です。

↓元物置を書斎にしてしまって、好き勝手に小説書いてます。黒い紙に物語の構想の始めを書いて、壁にメモを貼りつけていって、工作するように小説を書いています。

画像1


↓別の部屋にはもう少し書斎らしい場所も。

画像2

↓庭に面する和室は春、夏、秋と美しく気持ちが良いのでぜひ見ていってほしい。

画像3

↓私物の本を並べて、施設図書館のようにしています。元物置で、最初の写真の書斎から出たらここです。

口で言っても分かりにくいですね。動画を作ったので興味のある方は見てみてほしい。

【ルームツアー】本を読むための部屋と屋根裏書斎のルームツアー|room studio tour

 

この建物の長所は真夏でも涼しいこと。

和室、洋室などいくつかの趣の異なる部屋があり、自分の好きな場所で引きこもるようにして作業や読書をしてもらえること。

少し入り組んだ構造をしているので、人がいても静かに作業に没頭できること。

人がたくさん来る場所ではないのでスペースを気兼ねなく使ってもらえること。

コーヒーなど飲み物は置いてあるものをご自由にどうぞ。

冷蔵庫の中にお菓子などが入ってるときはお好きにどうぞ。

短所は一人でいると夜などは怖いこと、気温が低い日は寒いこと、集中してるときにハエが飛んでくるとイライラすることでしょうか。

注意点は、建物を大事に使ってほしいということ。完全禁煙です。

この建物も冬期間は基本的に閉館しています。

暖房設備がついていないので寒く、暖房を焚いて部屋を十分に暖めようとすると膨大な燃料代がかかることなどから、冬の利用は難しいと感じています(僕は暖かい恰好をして使っていますが)。

運営は僕のようにどっぷり利用したいという人、もしくは定期的にスペースを使いたい人から年3000円ほどの会員費をいただくのと、イベント開催時には売上の10%をいただくという方法で基本的な水道、電気などをやりくりしております。たまに寄付をしてくださる方もいます。

コワーキングスペースである旧佐藤医院が冬期間閉館しているので、自宅の民泊も夏限定でやろう、ということになったのです。

民泊は180日の制限があるので丁度良いだろうと。それで、暖かい時期に創作合宿ができるようになったらどんなに楽しいだろう。

この町が創作をする人、コンテンツを作る人に利用してもらえるようになったら、きっと文化を作ることができると考えているのです。

「旧佐藤医院を使ってもらう」を最大目標にした民泊

朝日町はスキー合宿が盛んだけど、僕はもっと内向的でインドアな文化を朝日町に作っていきたい。

そう考えて民泊を構想しました。

始まりはむしろ旧佐藤医院を有効に使って欲しいという感情。

この建物を見に来てくれる人はいますが、使ってくれる人はあまりいない。

だから、一風変わったコワーキングスペースになったら良いな、と思ってます。

けれど創作に没頭するなら泊まれる場所が無きゃダメだよな、という流れで自宅で民泊を始めました。

外観はこんな感じです。普通の一件屋。けっこう古いので冬は寒いです。

画像5

ここは寝るだけの家にして、作業場所は分ける。

生活環境と作業環境を分けることで脳みそを切り替えて集中することができる。

『随』という感じは後に従って行くとか成り行きで行く、という意味がありますが、それは「共に創作をする」という感覚を込めています。

「まにま」という発音には「間に間」という意味を密かに当てていて、家と旧佐藤医院を行き来するという意味を込めて。

また、町の南の方に入浴施設があるので、創作で疲れたらそっちにも足を運んでほしいとか、美味しい焼き鳥屋さんがあるのでそちらにも足を運んでほしい、という気持ちを込めています。

町の間と間を縫って、時間を過ごしてほしいなと思うのです。

食事が自炊なのも、僕が資格を持っていないからという理由もありますが、なによりお腹が一杯になると書く行為、作る行為が鈍るんじゃないかな、と思うからという理由もあります。

うまいこと言って怠けているだけとも言えますが、食事を自炊にしてもらうことで、適度は腹具合を自分でコントロールしてもらえる。

創作において満腹は敵で、適度な空腹はエンジンではないでしょうか。

没頭すれば食事で水を差されるのは嫌なもの(僕だけかもですが)。

創作する人を招くのなら、食事はとったり取らなかったり自由にできる方が良いのではないか、と思っています。

何より、僕自身が小説を書くので、普段身近な方とはなかなか話せないご自身の創作の話とか、理想とか、そういうのの話相手になれるんじゃないか、という点からも、僕は僕が民泊をやる意味というのを突き詰めなければならない。

そんなことを考えていたのですが、それを伝えることに尻込みしていました。

新聞で取材をしてもらったりなんだりした手前、こんな構想はわがままなんじゃないかと思っていたからです。

興味のないことや詳しくないことでお役に立てないので自分に似た人のための民泊を考えた

僕はスキーの町で生まれ育ったくせにウィンタースポーツに興味がありません。

スキーが好きな方に冬来ていただいてももちろん良いですし、創作者以外には来て欲しくない、なんて強く思っているわけではないですが、「僕スキーとか分かんないですけど良いんですか?」って感情が強いです。

僕の家に来るメリットあるかなあ、という気持ち。

また、民泊を始める前、ダムに夏場はキャンプに行ったり釣りに行ったりする人もいるから、そういう人が来てくれるかもね、という風に言ってくれた方がいます。

しかし僕は釣りにもキャンプにもそれほど詳しくなく、釣り場などの案内はできないし、キャンプ場の設備を聞かれてもよく分からない。

普通の一軒家の普通の夫婦ですから、レジャーを目的にいらっしゃる方の満足いくサービスをする自信はないし、民泊やると言うのなら充分なホスピタリティ精神を身に付けろよと言われてもそこに割く精神力がない。

僕は書くことに精神力と時間を使っている。だから同じ人に会いたい。

これまでお話ししたように、誰かが書いたり、作ったりする行為にこの町が貢献できるのではないかと思ったから民泊を始めました。

田舎でゆっくりして行って、とも思っていない。むしろここで創作を通して消耗しきって行ってくれる人が増えたら良いなと思ってる。一人では成し遂げられないことも、一緒にだったらできるかもしれない。

僕は僕でいつもどおり創作で消耗する。

ただ旧佐藤医院は特に夜、一人で戸締りをして電気を消して帰る瞬間がべらぼうに怖いから、そういうとき、誰か一緒に作業できる人いたらな、と思うのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました