毎月読んだ小説を記録していこうと思います。
出版されたものもあれば、WEB上の作品も読んだものはすべて記録します。
記録していくこと大事だな、と何となく感じているからであります。
それに普段どれくらい読むのかと聞かれても、そういえば分かんないなと思った。何冊かと言われても途中で読むの止めることあるし何度も読むのもある。
ちょっと客観的に自分がどんなものを読むのかを整理したいのでこれから毎月読んだ小説と、書いた小説を記録していく。
記録内容は、読んだ本(タイトル)と、感想があれば感想、合わなかったら合わなかったと書きます。
12月は短編集を好んで読んでました(というか僕は短編を選びがち)。
途中で読むの止めちゃったりすることも多いのでその理由とかも含めて記録。
Contents
恩田陸『いのちのパレード』
- 『観光旅行』
- 『スペインの苔』
- 『蝶遣いと春、そして夏』
- 『橋』
- 『蛇と虹』
- 『夕飯は七時』
すべての短編が合わず、途中で読むのを止めてしまいました。
恩田陸は「もったいぶり」とか「仄めかし」がものすごい作家さんだなという印象があったのですが、短編では話のスケールと主題に対してペースが遅く感じたのか、途中で放棄していました。
川端康成『掌の小説』
旺文社文庫の五十篇が収録されているものを読みました。50編あり、通読しましたが印象に残る作品は数作。
川端康成は本当に少女が好きなんだな、という印象を強くしました。少女はみんな好きですね。
- 『火に行く彼女』
- 『金糸雀』
- 『写真』
島田宗司『リベルタスの寓話』
島田宗司の小説は面白いに決まってる、という態度で読んでいるのでとりあえず面白かった。不可解な現場の謎に合理が与えられていく展開に強烈なカタルシスがある。
チャールズ・ブコウスキー『火の書』
- 赤いマルダ
- 火事場
- 炎の結婚式
- 有毒ガス
再読。火をテーマにした幻想怪奇短編集。装丁がものすごくカッコ良い。中身は多少時代を感じるものの、火と狂気の組み合わせが魅力的すぎて、コミカルな色合いのものも呪いがあるものも情熱を消さずに読めた。
ラブクラフト全集
- 壁の中のネズミ
- 闇に囁くもの
インスマウスの影を昔に読んで、非常に読みにくくて、合わないかも……と思ったまま放置してあったものに手を出した。
インスマウスの影はなんだったんだ?というほど読みやすくてホッとした。
アンナ・カヴァン『氷』
この『氷』を読んで「スリップストリーム」というジャンルがあると知ったのが12月の最大の収穫だったなあ。
というか、こういう作品のことを「スリップストリーム」と呼ぶんだ、と知って、なんだか一つ賢くなった気がしました。
スリップストリームはウィキペディアでは以下のように説明されてました。
wikipediaより
スリップストリーム(Slipstream)は、SFやファンタジーなどの非主流文学や、主流(メインストリーム)文学(純文学)といった型にはまったジャンルの境界を越えた、一種の幻想文学もしくは非リアリスティックな文学のことである。伴流文学、変流文学、境界解体文学とも言われる。
時系列的には『氷』を読んでから『火の書』を読みたくなったんですよね。「氷」と「火」で対になってるなって、いや、「氷」の対は「炎」ですかね。
「火」の対は「水」だろうか。どうでも良いか。どうでも良くない。
とにかく『氷』は面白かった。こういうの読みたかった、っていう作品。氷に覆われようする終末世界で、追われる少女と追う男性。魂の鬼ごっこ。
大海雄吾さんのnote作品
『レモン、パンツ、赤いネクタイ』
疾走感のある、途中で読むのが止められない話だった。
Sもの田さんのnote作品
感想を先にまとめて。
全部面白かった。小説書いてます、という口調じゃなくて、繊細な視線で見たものを書いているということが文章から伝わってきてどの作品でも痛く感動した。
『兄がいた』
ボツカット
アンチオキシダント
K noirさんのnote作品
第一印象がめちゃくちゃ黒くてカッコいい文章だな、というものでした。
江戸川乱歩とか阿部公房とかを読んで、カッコいいなあって思うのと似たような感覚になった。
濃いえんぴつで書いたみたいな文章。だけど濃くて柔らかいえんぴつだから消しゴムでキレイに消せてしまう、みたいな。
暗鬼
暗い構想
日曜大工
一廉の男
noteで美しい短編を書く人の作品が読めて幸せな月だった。
特にWEB上で、この人の作品面白いよ、というものがあればぜひ教えて欲しいです。もちろん自選でも。
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