1月に読んだ面白かった小説と、1月に楽しく書いた小説

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1月に読んだ面白かった小説

紹介していきます。

『友情だねって感動してよ』 小島陽太郎

優等生で日和見主義の「僕」とガールフレンドの吉川、人形の〈はるちゃん〉と会話するクラスメイト・湯浅の一筋縄ではいかない友情関係を描いた表題作をはじめ、三人の男女が紡ぐ“あの頃”の全て。20代の著者が執念で描く、いま、そこに確かに存在する若者たちの情動と煌めきが詰まった、生傷だらけの全6篇。 新潮社 著書紹介ページより

浅野いにおの表紙イラストに惹かれて手に取った。

そしてアジカン後藤正文による帯の「熱いと温かいの真ん中くらいの何かが駆け抜けた」にもまんまと惹かれた。

浅野いにおとアジカンの世界観なんて、僕の学生時代にかさなるフィルターそのもの。『ソラニン』に感傷したいだけ感傷して夜行性の不健康な日々を送ったあの頃。

派手でも地味でもない、普通にはしゃいで普通に鬱だった超ありきたりな学生生活だったけど、浅野いにおとアジカンをBGMに携えていればそれなりに青春だった気がするのだから不思議。

思わず『ソラニン』を紹介してしまった。今月読んだわけじゃないけどいいすよね。

それにしても浅野いにおが描く女の子はいつも絶妙にかわいい。普通にモテて、普通に女の子とも仲良くて、普通に都会に行ったら埋もれてしまうクラスの可愛い子って感じの女の子を絵にしたって感じ。

好きになった人じゃなきゃその子がこの世で一番可愛いって思わないけど、好きになったらその子がこの世で一番可愛いって思えるような女の子が描かれる。

ああ読んだ本について書かなければ。

表紙と帯で僕に言わせればもうズルい。もう否応なく浅野いにおと後藤正文ボーナスがついちゃってる。そういうフィルターで読む文章ですよ、物語に浅野いにおをインストールしてから読んでねって言われてるようなもん。

そんなんズルい。

『友情だねって感動してよ』の文章は全体的に好きだし非常に読みやすかった。『友情だねって感動してよ』というタイトルも好き。

その他、各話について特に感想はないかなあ。

象が連なったの滑り台のある公園(あと神社)が世界観を貫くというか舞台を統一する装置になっているっぽかったけどその、舞台を同じくする意味があまり分からなかった。

  • 甲殻類の言語
  • ディストラクション・ガール
  • 或るミコバイトの話
  • 象の像
  • 恋をしたのだと思います
  • 友情だねって感動してよ

 

『夜の樹』 トルーマン・カポーティより二作

 

 

ニューヨークのマンションで、ありふれた毎日を送る未亡人は、静かに雪の降りしきる夜、〈ミリアム〉と名乗る美しい少女と出会った……。ふとしたことから全てを失ってゆく都市生活者の孤独を捉えた「ミリアム」。旅行中に奇妙な夫婦と知り合った女子大生の不安を描く「夜の樹」。夢と現実のあわいに漂いながら、心の核を鮮かに抉り出す、お洒落で哀しいショート・ストーリー9編。Amazon 内容紹介より

  • 誕生日の子どもたち
  • 僕にだって言いぶんがある

 

トルーマン・カポーティを始めて読んだのが『誕生日の子どもたち』だったなあ。

本当にかっこいい、おしゃれな文章。

じゃあどうしてそう思うのか。かっこいい文章だなあ、おしゃれな文章だなあって思うのか。

それが分からないのですよね。

文章に惚れてしまうのって誰かの歌声に惚れてしまうのと似ていて、歌声ならきっとあのサビの高音が癖になるとかちょっとはつかみどころがあると思うのだけど、文章のどこに惚れるのかってのは非常に分かりにくい。

あれだろうか。

イメージとしては背景をすごくこう薄い色合いというか、地味な色彩に設定しておいて、注目すべきキャラの色、動作を際立たせる絵画的な、いや絵画のなんたるかは知らないけど、とにかくそういう視覚的な手法が光るところだろうか。

川本三郎訳の『誕生日の子どもたち』よりミス・ボビットが登場するシーンを引用する。

背景描写から。

その夏はまったく雨が降らず、何もかも乾ききっていた。車が通り過ぎたあと、土埃が一時間かそれ以上も空中に浮かんだままになっていることもあるくらいだった。

ここからの

何かが起こらないかなと思っていたちょうどそのとき、突然、その何かが起こった。赤い土埃のなかからミス・ボビットがあらわれたのだ。糊のよくきいたレモン色のパーティ・ドレスを着た針金みたいにやせた小さな女の子で、片手に腰をあて、もう一方の手で独身の女の人みたいに日傘をさし、気取った歩き方をしてこちらに近づいてきた

灰色の背景に、光のような女の子。

こういう描写にオシャレさを感じるんだろうか。

こじつけですね。

どこかを切り出して感じる技巧的なものじゃなくて、全体から立ち上がる何かが文章には要求されるはず。

でも同短編集の始めに収録されている『ミリアム』でも魅力的で迷惑な女の子が登場する。「退屈な日常をかき回す女の子」。

 

『告白』町田康

 
面白い本を読むと、こんな本が読めて良かった!って感じますよね。そして、この本を読んでなかった人生じゃなくて良かった、くらいまで感じる。
 
この本を手に取って、この本を開いて、ページを一枚一枚めくることができて良かったと思えるレベルのすごさ。素晴らしい。
 
週末予定ないんだよなあ、暇だなあ、読書でもしようかなあという方はこれ読むと良いホントに。
 
お店でコーヒー飲みながらとかじゃなくて手近に大福無限個とポットでも入れたお茶でも用意して読書を中断しなくても済む環境を作ってがーっと読んだらいい。
 
好みはあるだろうし根拠はないけど仮にこのブログの文章をここまで読めた人なら絶対に楽しめると信じてる。
 
どうしても書きたい。レビューじゃなくて内容の賞賛でもなくて、『告白』を読んで書きたいと思ったことを書きたい。内容をまとめたり、物語を整理しながら感想を書くのはすごく苦手だけど読書体験を書きたい。
 
町田文学の最高峰、なんて言われているのを聞いたことがあるけれど、決して難しくない。読み始めたら最後、手放すなんて無理な物語。
 
 
町田康の『告白』を勧めてからの自分の書いた小説載せるの気が引けるけどぜひ読んで欲しいので載せとく。
 
今月完成したの一本だけだった。情けない。一万字程度の短編なので15分余裕ある方はぜひ。
 
 

『ヤンソン』

人間関係ってままならないよなあ、と思って書いた話。男女関係は特に空回りがちだよなあ。

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