小説で読むべき重要なことの一つは「人の欲のバリエーション」だ

発想と行動を記録する
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小説のどこを楽しむべきなのか、小説を読んで一体何が面白いのか、分からなくなることはあると思います。

一向に分からないままこれまで過ごしてきた(よってあまり小説は読まない)という人もいるかもしれません。

「人の欲」が書いてあると僕は思います。小説に書いてある重要なことの一つではないでしょうか。

欲が書いてある、欲の形、欲の種類。

人が人である限り切っても切り離せない感情である「欲」が、小説の中で重要な位置を占めている。

今度何かを読むときは、欲に注目してみてはどうでしょうか。

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小説には自分が持ち合わせていなかった欲求が書いてあるかもしれない

人の欲とは不思議なもので、ある程度共通しているかと思いきや、恐ろしくバリエーションに富んでいたりもする。

三大欲求とか、身の安全を求めるとか、他者の承認を求めるとか、そのあたりの欲求は大きくことならないけれど、それらを満たす方法が全然違うとか、そういうことってありますよね。

中には、自分にはまったくない欲求を、他の誰かが持っていたりする。

誰しも自分が持ち合わせている欲って実はかなりささやかで、かなり固定的なのではないでしょうか。

ちょっと小説を読めば、自分では思いもよらなかった欲の形に辿り着くことができると思います。もしくは、自分が持っている欲求のより深いところが書かれていたり。

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小説や物語は知らない世界や経験を疑似体験できるというのは本当だろうか?

小説を読めば自分が経験できないことを追体験できる、みたいなことをよく聞く気がします。

物語を読む理由の一つに、自分を取り巻く環境とはまったく異なる世界の擬似体験ができること、と答える人もいるに違いない。

体験は体験でも、きっと「欲の体験」なんだと思います。

例えば、僕は「あの山に登りたい」みたいな欲を抱いたことがありません。山に登りたいと思ったことがない。

だけど登山が趣味の人はたくさんいるし、山に関連する小説もたくさんあって、登山が当たり前に日常にあって、登山が目標になる人の物語がある。そこにはちゃんと山に対する欲求が書いてある。

この本を開けば、自分は登山をしたいと思わないけれど登山をする人の欲をかなり理解することができると思うのです。少なくともその欲を否定するような気持ちにはならないはず。

自分の欲を知ることも大事だが、他人の欲を知ることも同じくらい大事

自分が何を欲しているかをよく知ることは大事だと思います。

だけど人間社会で生きるのであれば、「他人がどんな欲をもっているか」を知ることも大事ではないでしょうか。

きっと小説を読むことで人生が豊かになるとしたら、このあたりが関連している。

僕ら、自分にない欲を満たそうとする人は脅威にならないけれど、同時に興味を持てなかったり、馬鹿にしてしまったりするものだと思います。

興味のないことは興味がないで良いのだけど、それでも「欲の形としてそういうものがある」ということを知ることは、他人を尊重することに繋がるだろうし、他人に対する好奇心を持つことにも繋がると思う。

もしくは、知らずに他人の気持ちやプライドを害する人間にならずに済むかもしれない。

それで人生が豊かになるという結果に繋がる保証はありませんが、他人の欲を知るとか、自分は持っていない欲の存在を知るというのはきっと大事なことだと思う。

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