田舎のお店で「匿名性」を実装するアイデアというか妄想

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以前にも書いたことがあるような気がするけれど、田舎に無いものに「匿名性」がある。

匿名性と言うと少々大げさかもしれない。

もっと砕けた言い方をすると「ただの男性客の一人」とか「景色としての人物」になれる場所がなかなか無い。

田舎でやってるお店の客になるとどう考えても「個人名」で覚えられてしまうし、「友人」もしくは「今日は仕事じゃなくて客として来た体」で客をやらなければならない。

「自分が店員さんに認知されていると気づいたらもうその店には行けない」とか、人見知り・内向的な人間のあるあるとして定期的にネタとして見かけるけど、これほんとそう。

個人として扱われるの本当に嫌なんだ。ラーメンが食べたいときはラーメンが食べたいのであって、「お店に行った・顔を出した」という店主などの記憶は必要なく、嫌な言い方かもしれないけれど人とのコミュニケーションは求めておらず、ラーメンと向き合って、無個性な800円だけ残して去りたい。

チェーン店やコンビニなどであれば「ただの男性客」や「景色としての人物」になれるから僕はそういうところばっかり行ってしまう。いくら通ったって「おお、久しぶりー」なんて声をかけられることはないからそれが安心する(地元のセイコーマートは若干危険地帯ではあるが)。

いつだか何かでお世話になった人のお店とか、知り合いのお店とか、純粋に「商品」が目当てで行きたかったとしても、そこに匿名性がないから、財布と携帯と「少し社交性」を身に着けて出かけなきゃならないだろ。これが辛い。

僕が自然に社交性を発揮する日なんて無いんだから、そこには多大な心の準備が必要になってしまうし、今日は休みだから、暇だからという理由で知り合いの店に足を運ぶのも困難。

なぜなら、知り合いの店に足を運ぶというイベントが発生してしまった時点で僕にとってはまったく休みじゃないし、暇でもない。

社交性を微塵でも発揮しなければならない機会があるのだとしたら割とその一瞬に集中力や気力を込めなければならないし、無事に帰ってきても疲れ果ててアニメ見て回復するしかない。

知り合いのお店とかお世話になっている人のお店とか、顔を出さなければ出さないで、しばらく行ってない負い目みたいのを感じてしまって辛くなる。こんなことなら出会わなければ良かったって思う。

その負い目に押しつぶされそうになる前に顔を出そうとしたりするんだけど、その予定を立てるのは仕事のアポイントを入れるのと同じくらいの労力を要することであり、またまた嫌な言い方になってしまうけれど、「休みをつぶす」覚悟が必要になる。

こういうことが重なって、僕は最近ほんとうに社交性に乏しくなってしまっている。後で微かな関係を維持することに労力を要するのなら、初めから会わずに、関係を構築せずにいた方が良いと考えてしまう。

前置きが長くなったけれど、そんなこんなで僕は田舎暮らしには基本的に向いていないらしい。

しかしいま現に田舎で暮らしているし、今の極小の人間関係で何とかなってるのだから、この感じだとだいぶ居心地が良いのも事実。

また、僕は田舎でやりたいこともあるのだから、自分のコミュニケーション能力の低さと向き合いながら、調整して生きていけば良いと思う。

さて本題なんだけど、そんな僕が、田舎で「匿名性」を実装する方法は何かないかと考えた。

というか、ずっと前からあったら良いなと思っていることがあって、それは夜遅くに開くケーキ屋さん。

完全予約制で、一日一組のみ。

予約したケーキが時間通りにおいてあって、決済は先に済ませてあって、お客さんは「注文の多い料理店」に迷い込んだような感じで人に会わず、書置きのメッセージに従って席につき、ケーキを食べて、紅茶か何かを飲んで、帰っていく。

昔やってた『アンティーク 西洋骨董洋菓子店』というドラマが好きで、主人公がわりと夜遅い時間、その店に迷い込んで、ショーケースに並んでいるケーキを素手でむしゃむしゃと食べるってシーンが確かあって、ああ、この感じ良いなと思った。

ケーキだけが置いてあって、接客とか関係なくケーキを食べて、帰る。ドラマではもちろんその後に店の人間と主人公のやり取りがあるんだけど、あの人けの無さ、時間から切り離されているみたいな雰囲気、良い。

こんな感じで無人の、一緒にそこへ行く友人や家族以外とのコミュニケーションが必要ないサービスができたら良いなと考えている。もちろん採算なんて合わないだろうし、危機管理的なことはどうするのかなど課題があるから今のところ妄想の域は出ないのだけど、道楽が許されるならそういう空間を作ってみたいと思っている。

 

 

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