僕はとりわけてミステリー小説が好きというわけではないのだけど、人並みには好きだと思う。少なくとも嫌いではない。
始めて意識的に読んだ小説はノベル版の『金田一少年の事件簿』だし、今でもたまに、無性に、ミステリーが読みたくなることがある。
しかしミステリー小説は良くも悪くも映像化に適しているから、わざわざ小説で、小説として読まなくても良いかなっていう意識がどこかにあって、手に取る頻度はそんなに多くないかもしれない。
こんな、ミステリーに対して煮え切らない態度の僕ですが、ミステリ的環境というのにはアホみたいにワクワクしてしまう。
例えば最近「ゲーテッドコミュニティ」という概念を知ったのだけど、まずミステリ小説に使われそうだなって思った。僕がゲーテッドコミュニティを使う小説を書くことは多分ないと思うけど、あったら読んでみたい。
「ゲーテッドコミュニティ」
字面から受ける印象でまずワクワクする。
ゲーテッドコミュニティって何なん
コミュニティ単位でゲートを設けられている区画のことらしいです。
敷地内無断で立ち入り禁止になっていて、そこの住人及びその関係者しか中に入れないようになっている。閉ざされた居住空間、もっと大袈裟に言えば閉ざされたスモールタウンですね。海外のみならず、日本国内にもそういう場所があるらしいっす。
いや、「ゲーテッドコミュニティ」と言うからには「コミュニティ」が主であって、言葉の意味としても「コミュニティ(その中にいる人たち)」を主に考えるべきかもしれません。
コミュニティを物質的な「区画」とか「居住区」とかって扱っても良いだろうけど、もっと日本語的に、コミュニティを「人の集まり」のことと見做せば、この概念を見て若干嫌な気持ちになる人がいてもおかしくないかも。
ちょっと嫌な言い方をすれば、「排他的な態度を隠そうとしない人たち」とも言えますからね。
そんで実際「ゲーテッドコミュニティ」っていうものの意図は「排他」が目的としてあるみたいです。
いや真の目的は「治安の維持」であって、「安心のため」なんだけど、例えばゲーテッドコミュニティ内には「治安に関して同じレベルの警戒心を持っている」人たちが集まっていることが暗黙裡に了解されあっているわけだし、場所によっては一定以上の経済力がなければその中に居られないこともあるだろうから、そういう意味でも身近な人間を選別する意図があると言える。
真意がどうであれ、「あの中にいる人たちは鼻持ちならない」って思う人がいてもおかしくないのかなって思う。
ゲーテッドコミュニティの問題点
ゲーテッドコミュニティの問題点はいくつかあるみたいなんだけど、ここで挙げたいのは「内部での犯罪が発覚しにくい」ってのがあるらしいです。
まさにここを指してミステリ的環境と言っているんだけど、セキュリティが強力ってことはそれだけ密室性というか遮蔽性というか、そういうものが強いってことでもありますもんね。
車の中は基本安全だけど、走る密室と言われるように、中で何かあると助けるのは困難みたいな。
あと、ゆるやかな形だとしても、内部の人間が全部関係者というのも怖いものです。場合によっては運命共同体みたいなことにもなりかねないから、重大な隠ぺいが行われることもある。
そんなことを言ったらあらゆる企業なんかも同じようなリスクは背負ってるわけで、とりわけこのゲーテッドコミュニティを問題視できるわけじゃないなと思う。
ゲーテッドコミュニティ‐抽象から具体へ
ここで一回ぼんやりと抽象的に考えてみる。
「人の敷地に勝手に入ってはいけない」の「敷地」を広くとってあるってことですよね。一軒家のまわりを石垣で囲んであって、正面玄関に向かうには門を通らなくちゃいけなくてってのは別に珍しくないっていうかわりと普通だと思うけど、それが「特定の居住区」という範囲に広げる。
そう考えれば別に普通のセキュリティ意識で、パーソナルスペースが人によって違うのと一緒で、セキュリティの範囲を広く取りたい人にとり「ゲーテッドコミュニティ」ってのは安心感が強いのだろう。
考えてみたら、例えば「病院の敷地」とか「学校の敷地」とか「自衛隊の敷地」とか、「○○社の敷地」とかある特定の人たちが使うように設定されてる場って用がなければ基本勝手には入らないわけで、こういう場所はいわゆる「ゲーテッドコミュニティ」にあるような立ち入り禁止感とか排他性は少ないけれど、「用がある人」しか入らないという点では十分ゲーテッドな環境なのかなと思う。
ここから敷衍して考えてみれば、ゲーテッドコミュニティってもっと色々な「ゲート」を用意できるんじゃないかって考えた。
極端なもので言えば例えば「スギ花粉」をゲートにするとか。
本気で言ってるわけじゃないです。ただあからさまなゲート、門じゃなくて、人を選別し、特定のコミュニティで固まるという目的を達成する方法は有形無形問わず色々なバリエーションが存在するんじゃないかってこと。
スギ花粉がある程度の濃度で充満している区画があったとしたら、花粉症の人は絶対に入れない、入っても長居はできない場所になる。
花粉症の人を退ける意味は分からないけど、例えばそういう要領で、ゲート以外のもので人を選別する方法って考えたら無数にあるんじゃないか。
霊感ゲート
霊感ゲートを考えてる
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