面白い小説とはどんなものかを手短に考えた上でおすすめの小説を15冊紹介する

好きな作品と雑談

「小説とは何か?」を具体的に考えるための25の質問

6問目。

面白い小説とはどんなものかの回答です。

面白い小説ってなんだろう?とちょっとだけ考えた上で、面白いと思う小説を15冊ご紹介したい。

趣味が合う人がいたら良いな!

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小説の面白さには二種類あると思うんだ!

僕、かねがね、小説には二種類あると思っています。というか心の中で密かに分類していました。

完全に持論だしどう伝えて良いか分からないところがあるので斜め読んでもらって構わないんだけど、少しでも共感してもらえると嬉しい。

以下のような二分類です。

・サービス精神を持った運転手と旅をする小説

 

・自分とは価値観が違う他者に憑依して行動を共にする小説

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「エンターテインメントを楽しむ小説」と「旅や交流を楽しむ小説」

エンターテインメント(大衆)小説と、文学小説という風に分けても良い、というかとりあえず分かりやすいかもしれません。

でも小説の分類って泥沼になりがちなので、僕はあくまで感覚として小説を分けてる。

サービス精神を持った運転手と旅をする小説


ひとつは、運転手が僕らを物語に連れていってくれる。よく知っている車や船と言った乗り物で、運転手が案内するままに、僕らはゲストとなって楽しむ。

僕らの運転手はサービス精神を持っている。快適な旅ができるように気遣いつつ、サプライズや、気を抜けるところも用意して、僕らを目的地へ誘ってくれる。

ざっくり言えばエンターテインメント小説なんだと思う。

自分とは価値観が違う他者に憑依して行動を共にする小説


もう一つは、自分とは価値観の違う他者に乗り移って、行動を共にする小説。

読者の存在が知られているという感覚がない、快適な旅とか、目的地が知らされている旅ではない。誰なのか分からない他者、未知の他者と重なりあって、先行きの分からない不快な旅に巻き込まれる感覚。

これを文学小説と呼ぶとなんだか違和感がある。だけど傾向としてはそうなんだと思う。

文学作品と呼ばれる小説が、話の内容に関わらずしばしば暗い印象を持っているのは、この「価値観が違う他者に憑依する」という不安感に起因すると僕は思う。

運転手系、他者憑依系、それぞれの面白さとは?

運転手に任せる旅と、他者に憑依する旅の二つがあって、この二つの楽しみ方は違うような気がしています。

前者では、運転手の腕が物を言います。

作者のストーリーテリングと言ってしまえばそこまでなんだけど、あれよあれよと物語に巻き込まれ、気が付けば興奮している。ただし安全な場所から、というのが僕の認識。

イメージはサファリパークのレンジャーによる驚きありスリルあり発見のツアー。

後者の他者に憑依する旅はあまり僕らに気を使ってくれないです。

他者は遠慮なく他者のまま、とにかく僕らは巻き込まれる。だからこそ人間の深層の部分に肉薄できるような気がする。それが面白さである。

それぞれのおすすめを挙げていきたい。ここまでムキになって説明してきたけれど、分かりやすく前者はエンタメ小説、後者を文学小説と呼ぶことにする。

読んでる間ずっと幸せ、エンタメ小説おすすめ5選

『ダヴィンチ・コード』ダン・ブラウン

 

 

『航路』コニ―・ウィリス

 

 

 

『ガダラの豚』中島らも

 

『壬生義士伝』浅田次郎

 

 

『告白』町田康

 

 

この5作品はなかなか揺るがない!絶対面白い。読書に肩までつかって心底まで楽しめる5作品。

色んな気持ちに呼応する、文学小説おすすめ5選

青空文庫で読めるものは青空文庫のリンク貼っておきますので今すぐどうぞ。

 

『人間失格』太宰治

 

 

話自体は正直そんなに好きじゃない。謎の中毒性。蝕まれる。

 

『吾輩は猫である』夏目漱石

 

退屈ではある。けれど夏目漱石の仄明るい雰囲気がとても好き。太宰治には蝕まれるけど夏目漱石には癒される。

 

『城』フランツ・カフカ

 

ずっと心地よい。くすぐられている感覚。

 

 

『グールド魚類画帳』

 

 

 

『氷』アンナ・カヴァン

 

とにかく心地が良い。面白いという言葉が当てはまるのかは分からないけど面白いと言う他ない。色んな気持ちに呼応する。

短編小説集が一番好き、短編小説集おすすめ5選

僕の中で短編小説は別腹です。

どちらにも分類されないというか、どちらにも分類されるというか。

短編小説が一番好きだなあ。短編小説おすすめあったらむしろ教えてほしいです。

僕は以下の5が現在のトップ。5作に絞るのは難しいのですが、あくまで今現在の気分のトップ5です。

 

『ナイン・ストーリーズ』J・Dサリンジャー

 

短編小説集はみんなどことなくナインストーリーズにあこがれてるような気がするんだ

 

 

『大聖堂』レイモンド・カーヴァ―

 

 

 

『不思議のひと触れ』シオドア・スタージョン

 

SF。「少し不思議」な方のSFかもしれない。人間以外、人間以上。そういう話が多い。

 

 

『悦楽園』皆川博子

 

怖いこわい皆川博子怖い。発想が怖い。硬度の高い文章。生々しいにおい。

 

 

『僕は秋子に借りがある』森博嗣

 

理知的で計算高い。美しくロマンチックで切なく幼い。

 

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